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くだもの&健康ニュース Vol.109
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.109
■□■ 2016年5月13日(金)配信

みなさん、こんにちは!
健康のためには食物繊維と腸内細菌の共生が必要、だから果物!詳
細は文献紹介で。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ナツミカン
・ くだもの広場:働き盛り世代の果物消費(その4)
・ 文献紹介:豊富な食物繊維で腸内細菌の多様性が回復
・ 文学の中の果物:美術批評家と夏蜜柑(薄田泣菫)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:シトロンの伝搬とアレキサンダー大王
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  山吹ノ返リ花アリ夏蜜柑

   − 正岡子規

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■ くだものレシピ:ナツミカン

○ 白菜と夏みかんの爽やかコールスロー

 柔らかな白菜とプチプチ夏みかんの絶妙な食感、スッキリ爽やか
なサラダです。

材料
 ナツミカン 1個、白菜 300g(3枚程度)、酢 大さじ1.5杯、マヨ
ネーズ 大さじ1.5杯、レモン汁 小さじ2杯、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3756034

○ 夏みかんピール

 自宅で穫れる無農薬の夏みかんで作りました。

材料 
 ナツミカン 3個、グラニュー糖 ナツミカンの皮と同じくらいの
グラム数、米のとぎ汁 2-3合分、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3807821

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■ くだもの広場:働き盛り世代の果物消費(その4)

  果物の消費量が少ない働き盛り世代(20〜40歳台)を対象にした
 アンケート調査を中央果実協会が実施しました。調査結果について
 ミカさん、リン太君と一緒に見てゆきましょう。

おじさん:前回までは、外で仕事をしている人の果物消費量が少な
  いのは、果物の摂取習慣がある人は比較的多く食べているんだ
  けど、果物を食べてない人や摂取機会が少ない人が多いことか
  ら、全体でみれば消費量が少ないってことだったよね。

ミカ:そうね。社会人になったら自分で食べ物を選択するようにな
  るので、意識して果物を食べないといけないね〜って話しだっ
  たよね。

おじさん:そこで、今回は、果物摂取意識について話を進めるね。
   「果物を意識的に摂っているか」を尋ねたところ、専業主婦
  (夫)では、食べることを意識している人が67%で、そのうち
  約半数の33%が意識して食べている。デスクワーク中心の内勤
  職では、意識している人は45%で食べている人は28%、外回り
  中心の営業職では、意識している人42%で食べている人24%、
  現場・工場勤務職では、意識している人33%で食べている19%
  という結果なんだ。
   このように、外で仕事をしている人は、果物を食べることを
  意識している人がそもそも少なく、実際に食べている人もその
  約半数にとどまっているね。

リン:外で働いている人は、食べたくて食べられないのかと思った
  けど、そもそも果物を摂取する意識があまり無いっていうのは
  問題だね。

おじさん:でもね、専業主婦(夫)の人でも、果物を食べる意識は
  あるけど実際に食べている人は半数で、この数値は、果物を摂
  取する機会が少ない外で仕事をしている人と同程度というのも、
  ちょっと低い気がするね。
 
ミカ:外で仕事をしている人は、生鮮果物を食べることは難しくて
  も、ジュースなど果物加工品で摂取するような工夫ができるん
  じゃないのかなあ。

おじさん:生鮮果物と果物加工品のどちらを食べることが多いかを
  聞いた結果もあるんだ。
   生鮮果物が主体の人が半数以上を占めているんだが、加工品
  が主体の人の割合は、専業主婦(夫)で9%に対して、外で働
  いている人は15〜20%程度と相対的に高くなっており、手軽
  に食べられる方法で摂取しようとしている面もうかがえるね。

ミカ、リン:そもそも、外で働いている人は食生活バランスが崩れ
  がちだから、食生活改善を意識しているのかなあ。

おじさん:じゃあ、食生活改善と今後の果物の摂取意向などは次回
  にね。

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■ 文献紹介:豊富な食物繊維で腸内細菌の多様性が回復

 カナダ・アルバータ大学の研究者は、食物繊維の摂取量をもっ
と増やせば、欧米型の食生活で失われた腸内細菌叢の多様性を回復
できると、「内分泌学代謝学の動向」に総説を発表しました。

 工業化社会の偏った食事は、腸内細菌にとっても栄養不足で、腸
内のある種の有益な細菌が失われてしまいます。こうした腸内環境
の悪化が、健康に関わる免疫系や代謝系に異常が起きる原因と推測
されています。

 例えば、欧米人の食物繊維の摂取量は、食事ガイドラインが推奨
する量の半分に過ぎません。食物繊維は、腸内細菌にとっても主要
な栄養素の供給源なので問題なのです。

 低食物繊維の欧米型食生活の改善のためには、腸内細菌の枯渇を
防ぐという観点から、食物繊維の摂取量を増やす必要があります。
スタンフォード大学のマウスを使った研究で、典型的な欧米型食を
食べたマウスの子孫で有益な腸内細菌種が少なくなっていることが
見いだされました。子孫に再び食物繊維の多い食事を与えても、元
の状態に回復することはありませんでした。つまり身体に良い細菌
はすでに絶滅してしまったのです。

 多くの疫学研究から食物繊維が有益であることが実証されており、
FDA(アメリカ医薬品局)も食物繊維を豊富に含む食品が、大腸ガ
ンと冠動脈疾患の予防に効果的であると推奨しています。しかし、
臨床試験などで用いられている食物繊維の用量は充分ではありませ
ん。多くの研究で5-15gの食物繊維が用いられていますが、実際の
利益を得るには足りないと述べています。

 非工業化社会を象徴する伝統的な南アフリカの食事における食物
繊維の摂取量は55gで、2週間の摂取試験において大腸ガンのマー
カーの改善が認められたと指摘しています。

 以上の考察から、人類と細菌が共生できるような食事への劇的な
変更が、生活習慣病など非感染性疾患を抑えるための重要な鍵であ
ると結論づけています。

【文献】
Deehan, EC. and Walter, J.: The Fiber Gap and the Disappearing 
Gut Microbiome: Implications for Human Nutrition. Trends 
Endocrinol Metab., 27: 239-242. (2016) 
[doi: 10.1016/j.tem.2016.03.001]

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■ 文学の中の果物:美術批評家と夏蜜柑(薄田泣菫)

 日本の宴会には、よくお客同志の余興づくしといつたやうなもの
があつて、それあるがために自分の隠し芸を、人前に押し売りをす
る事の出来る楽しみもあるが、どうかすると、自分が芸無しのため
に飛んだ恥をかゝされることがよくある。亡くなつた山路愛山が、
ある時何かの宴会で相客からうるさく隠し芸をせがまれて、例の負
(ま)け嫌(きら)ひから、丁度夏座敷だつたので、女中に台所か
ら冷し素麺(そうめん)の桶を持ち込ませて、それをいきなり頭か
らひつかぶつて、素麺の雨の中から鵞鳥のやうな苦しい声を振絞つ
て、
「これは鯉の滝のぼりでござい。」
といつたさうだが、お蔭で座敷は水だらけになつて、一座は白けて
しまつたさうだ。

 最近日仏交換展覧会の用事をすませて仏蘭西から帰つて来た久米
桂一郎氏が、まだ若盛りで白馬(はくば)会の仲間達と一緒にはし
やぎまはつてゐた頃こんなことがあつた。それも宴会での出来事だ
つた。

 久米氏は――美術批評家に対して、顔の棚下しをして甚(はな
は)だ相済まない次第だが――人も知つてゐる通り口が大きく頤
(あご)が突つ張つて、俗にいふえらの出た顔で、あんぐり口を開
(あ)いたら、ラルウスの仏語辞典でも詰め込めさうな大きさであ
る。宴会の芸づくしは廻り廻つて久米氏の番になつた。氏はやをら
座を立つて座敷の真中に坐つた。そしてポケツトから大きな夏蜜柑
を一つ取り出して掌面(てのひら)にのせた。
「お目通りがかなひましたら、これからこの夏蜜柑を丸ごと口の中
に頬張つて御覧に入れます。」

 かう言つて、久米氏は件の夏蜜柑をそろそろ口の中に押し込みか
けた。皆はをかしさに手を打つて笑ひ興じた。久米氏の口も大きか
つたが、夏蜜柑はそれよりもまだ大きかつたので、七分がた口の中
にはいりははいつたが、残りの三分がまだ歯の外にはみ出してゐた。
    − サンデー毎日より

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■ くだものいちば

 今回は、神戸市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹
介します。入荷量が多いのは、甘ナツミカン、リンゴ、スイカ、メ
ロンなどです。モモ、ブドウ(デラウェア)の入荷も始まりました。

甘ナツミカンは広島産です。ウンシュウミカン(ハウスミカン)も
入荷中です。
グレープフルーツはアメリカ産です。

リンゴ(ジョナゴールド、ふじ)は青森産です。
ビワは香川産です。

イチゴ(ほのか、ゆめのか、あまおう)は熊本、長崎、福岡、兵
庫産です。
メロン(アールス、アンデス、クインシー)は静岡、茨城産です。
スイカ(祭ばやし)は熊本産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:シトロンの伝搬とアレキサンダー大王

 シトロンの原生地は、インドから東南アジア周辺で、古くからシ
ュメール人などによって栽培されていました。果皮は厚く、果実は
大きくレモンのようです。

 アレキサンダー大王(紀元前356年〜紀元前323年)と彼の軍隊が
ペルシャを経て、現在のパキスタンに到達しましたが、この遠征に
よって、シトロンは、西方にもたらされました。その後、マケドニ
アを経て紀元前4世紀頃には南イタリア、コルシカ、シチリアに伝
搬しました。アメリカにはヨーロッパ人により導入されました。

 古代から中世頃まで、シトロンは、嘔吐、口渇、船酔い、腸疾患、
壊血病などの医薬品として利用されてきました。また、宗教上の祭
事にも用いられ、ユダヤ社会では、未熟な果実が収穫祭を祝うのに
用いられました。

 シトロンの主な生産地はイタリア、コルシカ、ギリシャです。シ
トロンメロン、コルシカンシトロンとも呼ばれます。

 果実は、菓子に加工されたり、刻んでフルーツケーキに混ぜられ
たり、香水や酒などの原料にもなっています。シトロンの香りの主
要な成分はリモネンです。

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■ 編集部より

 現在、栄養と身長との関係について解析しています。果物の摂取
量と身長の伸びとの関係が大変興味深い結果となっているので、ま
とまり次第、メルマガで紹介します。
 五月中旬になりましたが寒暖の差が大きくなっております。皆様,
ご自愛ください。(tnk)

 皆さん、楽しい連休を過ごされたでしょうか?都会を離れて旅行
に行かれた方も多いと思いますが、道の駅にある直売所などでは地
元の果物などが沢山売られていますので是非覗いて見てくださいね。
 果物の消費が多い人は、こうした直売所の利用や摘み取り園での
収穫体験など、日常の生活行動の中で果物と触れ合う機会が明らか
に多いようです。(KM)


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     編集長 田中敬一 (tnk)


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