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くだもの&健康ニュース Vol.108
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.108
■□■ 2016年4月29日(金)配信

みなさん、こんにちは!
白内障の予防には、ビタミンCが果物を!サプリメントではだめな
理由も紹介しています。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:パパイヤ
・ くだもの広場:働き盛り世代の果物消費(その3)
・ 文献紹介:果物などビタミンCが豊富な食品で白内障のリスク
  が3割も低下
・ 文学の中の果物:夏の夜の夢(岡本かの子)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:パパイヤ伝搬の歴史
・ メールマガジンが届かない場合
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  桃さくや三寸程の上り鮎

   − 正岡子規

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■ くだものレシピ:パパイヤ

○ 沖縄料理 簡単絶品のパパイヤイリチー!

 関東の人には珍しいパパイヤイリチー(青パパイヤの炒め煮)
これだけの材料で完成。

材料(4人分)
 青パパイヤ 1個、シーチキン(ツナ缶) 70g、白だし 大さじ1杯、
塩 小さじ1杯、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3533785

○ パパイヤが苦手でも美味しいフルーツサラダ

 パパイヤの酵素、アボカドの栄養を摂りたくて

材料
 パパイヤ 半分、梨 半分、アボカド 半分、レモン汁 半分、生ハ
ム 好きなだけ

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3404262

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■ くだもの広場:働き盛り世代の果物消費(その3)

 果物の消費量が少ない働き盛り世代(20〜40歳台)を対象にした
アンケート調査を中央果実協会が実施しました。調査結果について
ミカさん、リン太君と一緒に見てゆきましょう。

おじさん:前回は、果物の摂取頻度について、専業主婦(夫)、
  デスクワーク中心の内勤職、外回り中心の営業職、現場・工場
  勤務を比較すると、室内での生活時間が多い専業主婦(夫)、
  内勤職の人は摂取頻度が相対的に高く、外での生活時間が多い
  営業職や現場・工場勤務の人は摂取頻度が少ない傾向が見られ
  たよね。
  今回は、月1回以上食べてる人の1日の摂取量をみてみるね。
  ミカさんリン太くんはどう思う?、

ミカ:ん〜。摂取頻度が高い職業のほうが果物を多く食べているん
  じゃないかなあ。

おじさん:1日の摂取量の調査は、果物を月1回以上食べている人
  について取りまとめた結果なんだ。食べて無い人は除かれてい
  るので注意してね。
  1日100グラム以上摂取している人の割合は働き盛り世代平均
  で56%となっており、専業主婦(夫)で56%、デスクワーク中
  心の内勤職で59%、外回り中心の営業職で70%、現場・工場勤
  務で56%となっているんだ。室内での生活時間や働き方が違っ
  てもあまり変わらない結果だね。また、1日200グラム以上摂取
  している人の割合は、専業主婦(夫)で10%に対して、内勤職
  で16%、営業職で17%、現場・工場勤務で18%と家庭外で仕事
  をしている人のほうが高くなっている。

リン:摂取頻度と摂取量の2つの結果からどのようなことが考えら
  れるの?

おじさん:外で仕事をしている人についてみると、果物の摂取習慣
  がある人は比較的多く食べているんだけど、果物を食べてない
  人や摂取機会が少ない人が多いってことが考えられるね。
   
ミカ:そうか〜。食べている人は食べているんだ。でも、20歳未満
  の若い人に比べて20〜40歳台の働き盛り世代で摂取量が落ち込
  む背景には、生活スタイルの変化が影響しているようだけど、
  それぞれの生活スタイルにあわせて上手に果物を摂取すること
  もできるんじゃないかなあ。

おじさん:そうだねえ。前回、果物の摂取時間帯について朝食、昼
  食、夕食、間食に区分して調査した結果を紹介したけど、朝食
  時や夕食時での食事時間の摂取が中心で、この傾向は職業別に
  はあまり違いが無かったからね。
   毎日仕事で忙しいので3度の食事内容にまで気が回らないと
  あきらめるのではなく、もっと間食を上手に利用して果物を摂
  取し食生活バランスを保つことが必要だね。

ミカ、リン:社会人になったら自分で食べ物を選択するようになる
  ので、意識して果物を食べないとねえ。

おじさん:それじゃあ、次回は、果物をどのように意識しているか
  を勉強しようね。 

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■ 文献紹介:果物などビタミンCが豊富な食品で白内障のリスク
  が3割も低下

 白内障は、目のレンズが不透明になり濁る疾病で、年齢を重ねる
とともに増加します。白内障除去手術が広く普及したにもかかわら
ず、依然として白内障は、世界的にみて失明の主要な原因です。

 白内障の原因について、イギリス、キングス・カレッジ・ロンド
ンの研究チームは、遺伝的背景よりも食習慣のほうが、白内障発症
および重症度に大きな影響があると、「眼科学」に発表しました。

 研究では、食品やサプリメントからの特定の栄養素が白内障の進
行を防ぐのに役立つかどうかを解析するとともに、遺伝的背景と食
習慣がどのくらい重要であるかを検証しました。その結果、果物な
どビタミンCの豊富な食品の摂取が多いと、白内障の進行リスクが
33%も低下することが明かとなりました。

 イギリスの女性の双子1,000組以上からのベースライン;データ
を収集し解析するとともに10年間の追跡調査も行いました。被験者
には、ビタミンCのほか、ビタミンA、B、D、E、銅、マンガン、亜
鉛などの栄養素や食品の摂取量に関するアンケートを提出してもら
いました。また、白内障の進行状況を測定するために、デジタル画
像装置を用いて、60歳前後でのレンズの不透明度を検査しました。

 ベースライン測定時には、ビタミンCが豊富な食習慣の人は、白
内障リスクが20%低いことが分かりました。さらに、10年間の追跡
調査の結果から、果物などビタミンCが豊富な食品を多く摂取して
いた女性は、白内障の進行のリスクが33%も低いことが明かとなり
ました。

 追跡調査の結果から、白内障の進行状況の違いの原因で、遺伝的
背景が35%、食習慣のが要因が65%を占めていました。この結果は、
遺伝的背景は、以前考えられていたよりも白内障の進行にそれほど
重要ではないことを示唆しています。

 また、食事由来のビタミンCが多いほど、レンズの周りの流体中
に存在するビタミンCの量が増加することが分かりました。さらに、
白内障の発症抑制には、サプリメントより食事由来のビタミンCな
どの栄養素と強く関係していました。

 研究者らは、「今回の研究で、最も重要な発見は、食品からビタ
ミンCを摂取した量の差が、白内障の進行を抑制することが分かっ
たことである」と述べています。「私たちは、白内障の発症を完全
に回避することはできませんが、果物などビタミンCが豊富な食事
によって、発症を遅らせ、大幅な悪化を避けることができると研究
は示唆している」と語っています。

【文献】
Yonova-Doing, E. et al.: Genetic and Dietary Factors Influencing 
the Progression of Nuclear Cataract. Ophthalmology. S0161-6420 
(16)00114-7. (2016) [doi: 10.1016/j.ophtha.2016.01.036]

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■ 文学の中の果物:夏の夜の夢(岡本かの子)

 歳子は喰べても喰べてもうまくだけあつて、少しも腹に溜まらな
い飲食物に味(あじわ)ひ耽(ふけ)るやうについさう云つた。

「まだ、少女のときのやうに眠くなりませんかね。」
 牧瀬は横にしてゐた体を悠々と立て直しながら、いくらか揶揄
(からか)ひ気味に訊(き)いた。七八夜の間に歳子は今までの生
涯の体験やら感想やらを識らず知らず彼に話してゐた。

「眠くなつちやゐられないほどいゝ気持ちよ。それとも眼が覚めて
ゐて眠つてゐると同じやうな気持ちなのかも知れない。」
「うまいこと云ふ」と呟(つぶ)やきながら笑つて牧瀬は、すこし
歳子に躪(にじ)り寄り、籐(とう)で荒く編んだ食物籠(かご)
の中の食物と食器を掻(か)き廻した。
「喉が渇きませんか。今夜はこれをあがつてご覧なさい。おいしい
ですよ。」

 牧瀬は月にきら/\光らせながら魔法罎(びん)からコツプへ液
汁をなみ/\と注いだ。
 歳子がそのコツプを月にさしつけて、透(すか)してゐると、牧
瀬は「水晶石榴(ざくろ)のシロツプです。シロツプでは上品な部
ですね。」と云つた。

 それから彼は不器用にパパイヤを切つて小皿に載せ、レモンを絞
つてかけてから、匙(さじ)と一緒に差出した。藐姑射山(はこや
のやま)に住むといふ神女(しんにょ)の飲みさうな冷たく幽邃
(ゆうすい)な匂ひのするコツプの液汁を飲み、情熱の甘さを植物
性にしたやうな果肉を掬(すく)つて喰べてゐると、歳子はこころ
がいよ/\楽しくなつた。蚤(のみ)の喰つたあとほどの人恋しさ
の物憎い痒(かゆみ)が、ぽちりと心の面に浮いた。牧瀬のスポー
ツシヤツの体からは、半人半獣のやうな健やかな感触が夜気に伝つ
て来た。

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■ くだものいちば

 今回は、広島市中央卸売市場中央市場に入荷している果物につい
て紹介します。入荷量が多いのは、甘ナツミカン、リンゴ、イチゴ、
スイカ、バナナなどです。

甘ナツミカン、ハッサクは広島産です。
レモン、グレプフルーツはアメリカ産です。
清見、不知火(デコポン)は広島産です。

リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。

イチゴ(ほのか、あまおう、など)は佐賀、福岡、宮崎産などです。
メロン(アールス、アンデス、クインシー、マリオ、など)は静岡、
熊本、鹿児島産などです。
スイカ(祭ばやし、など)は熊本産です。

バナナはフィリピン産などです。
パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツはニュージーランド産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:パパイヤ伝搬の歴史

 パパイヤは、ヤシに似た常緑樹で、古代にメキシコ、中央アメリ
カ原産のパパイヤ属の種間雑種から発生したと考えられています。
ヒョウタン、メロン、カボチャ(ウリ科)と近縁です。パパイヤは
ときに間違えてポポー、ポーポーなどとよばれることがあります。

 ユカタン半島に到達した最初のスペイン人に、マヤ族の人達から
パパイヤが贈り物として贈呈されたと伝えられています。その当時、
パパイヤの生育地はメキシコからパナマにかけての地域に限られて
いました。

 その後、スペイン人は、パパイヤをマニラガレオン船(16世紀 
半ば〜18世紀ごろ作られた帆船)で太平洋を越えてフィリピンまで
運びました。次いで、ポルトガル人がパパイヤを世界中に広めまし
た。

 その結果、現在ではパパイヤは世界中の熱帯地域で栽培されてい
ます。
ハワイの代表的な品種「ソロ」は、果実の長さは15cm位で洋ナシ形
をしており、果肉は桃色あるいは黄色です。この品種はカリブ海の
西インド諸島のバルバドス島からハワイに導入されたものです。

 ハワイ、アフリカ、南アジアでは、果実採取だけでなく、乳液状
のラテックスを目的に栽培されています。ラテックスにはタンパク
質分解酵素パパインが含まれていて、肉を柔らかくしたり、ビール
を透明にしたりするときに使われるだけでなく、医薬品としても利
用されています。

 黄色、オレンジ色 または桃色をした果肉は、ほんのりと甘く、
朝食などに生食され、ジュース、パイ、サラダ、シャーベットなど
にも加工されています。未熟な果実は、スカッシュ(果汁飲料)な
どに調理して食べます。パパイヤには、ビタミンCが多く含まれて
います。

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■ 編集部より

 文献紹介から、白内障予防には、ビタミンCなどが豊富な果物の
摂取が重要なことが改めて示されました。例え、ビタミンCなどの
栄養バランスが崩れていても、サプリメントでは、更にバランスが
崩れてしまうことも分かりました。(tnk)

 そろそろビワが出回る季節になりました。本格的な出回りはもう
少し後になりますが、季節感が感じられる果物のひとつなので楽し
みです。ビワは種が大きくて可食部が少ないように感じますが、バ
ナナやパインアップルに比べれば可食部が多いとか。(KM)


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     編集長 田中敬一 (tnk)


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