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くだもの&健康ニュース Vol.100
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.100
■□■ 2015年12月25日(金)配信

みなさん、こんにちは!
くだもの&健康ニュースが100号になりました。多くの人に支え
られここまでこられました。読者の皆様に感謝申し上げます。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:リンゴ
・ くだもの広場:「26年国民健康・栄養調査」の結果が公表
・ 文献紹介:メール配信で心血管疾患のリスク改善
・ 文学の中の果物:一月一日(永井荷風)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:果物摂取で認知症予防
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  札貼りし品評會の林檎かな

   − 正岡子規

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■ くだものレシピ:リンゴ

○ りんごでにぎり寿司!赤身、イカ、飾り切り

 え!?お寿司?リンゴ!リアルにできればみんなびっくり。お寿
司デビューがまだなキッズにも!お正月にもオススメ

材料
 リンゴ 8分の1?すきなだけ

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2943923

○ ゴロゴロ林檎 きんとん

 お正月のおせちにいつもと違うきんとん 酸味とほのかな甘さが
癖になります お好みでアレンジも可能

材料
 リンゴ 1個(約200g)、レモン汁 小さじ1杯、さつまいも 600g、
砂糖、水あめなど。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3473055

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■ くだもの広場:「26年国民健康栄養調査」の結果が公表

 果物好きの姉弟のミカさんとリン太君。12月9日に厚生労働省から
公表された「26年度国民健康・栄養調査」の結果について勉強します。

おじさん:ねえ、ミカさんやリン太君達。以前(メルマガ93号)に
  果物の消費量について勉強した時に、「国民健康・栄養調査」に
  ついても勉強したことを覚えているかな。

ミカ:国民の身体や栄養摂取状況、生活習慣などを毎年11月に調べて
  いる調査ね。果実の摂取量について年齢別にも調査されており、
  確か・・・・、若者や働き盛り世代で摂取量が少なくなっている
  って教えてもらったね。

おじさん:今回、26年の調査結果の概要が発表されたんだ。調査結果
  によると、果実類の1人1日当たり摂取量(サンプル平均)は全体
  では105.2グラムと昨年の調査結果から6%減少しているんだ。
   年齢別には、これまで同様、若者〜働き盛り世代での摂取量が
  少なく、50歳台、60歳台、70歳以上と年齢が高くなるにつれて
  摂取量が増える傾向にあるね。特に、26年の結果は、男性の
  15〜19歳層、20〜29歳層が昨年に比べて3割を超える大きな減少
  となっており、他方、同年代の女性では、15〜19歳層が6%減、
  20〜29歳層が4%増と男性のように大きく変化はしていないね。

ミカ:リンは男でしょう。しっかり食べなきゃね。

リン:僕は食べてるんだけどなあ。

おじさん:平成25の調査報告書から摂取量区分毎の人数の割合を年齢
  別にみると、20歳台、30歳台、40歳台では、摂取量がゼロの人が
  半数を超えており、特に、男性では、同階層で摂取量がゼロの人の
  割合が6割と高くなっているんだ。
   調査は11月の特定の1日の食事内容を調査したものなので、摂取
  量がゼロといっても1年間全く食べない訳でなく、調査日にたまたま
  食べない人も含まれていると思うけど、いずれにしても摂取機会が
  少ないことは確かだね。
   リン太君のように、食べてる人は食べてるんだけど、あまり食べ
  ていない人が多いってことと考えられるね。

ミカ:日頃から食生活のバランスを考えて、果物を取り入れるように
  しないとね。

おじさん:果物が健康に良いことは頭ではわかっていても、日常の食
  生活ではついつい忘れがちになっていることもあるのかもしれな
  いね。

ミカ、リン:そうだね。皆さん、果物を忘れないでね。

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■ 文献紹介:メール配信で心血管疾患のリスク改善

 オーストラリア、シドニー大学の研究チームは、生活習慣改善の
ための簡単で低コストで自動化された携帯メールの送付で、受け取
った心血管疾患の患者のLDL-コレステロール、血圧、BMIが下がり、
喫煙状況も改善できると、「アメリカ医学会誌(JAMA)」に発表しま
した。

 心血管疾患は世界的に主要な死亡原因です。そのため、患者のリ
スク因子の改善は極めて重要です。携帯メールは、生活習慣改善に
効果的とされていますが、科学的に評価した研究はあまりありませ
んでした。

 研究では、心疾患の患者を対象にランダム化対照試験を実施しま
した。介入群352人は、1週間に4通のテキストメールを6か月のあい
だ受け取りました。対照群358人は、通常治療のみとしました。テ
キストメールには、アドバイス、動機づけ、行動を変えるためのサ
ポートが含まれています。メールのメッセージは、データベースに
登録され、参加者の特徴(例えば喫煙者)に合わせて自動的に選択さ
れて送信されました。参加者の平均年齢は58歳で53%は喫煙者でし
た。

 6ヶ月後、介入群は対照群に比べて、LDL-コレステロールが改善
しました(介入群79mg/dl:対照群84mg/dl)。血圧も収縮期血圧が低
下しました(介入群128mmHg:対照群136mmHg)。また喫煙者の割合も
下がりました(介入群26%:対照群43%)。さらに、BMIも下がり、運
動をする人の割合も増加しました。心血管疾患の予防や治療のガイ
ドラインで改善が求められる生活習慣の改善率も高くなりました
(介入群63%;対照群34%)。

 試験終了後、介入群の参加者は、テキストメッセージを有用と評
価しました(91%)。また、メッセージは理解が容易(97%)で、頻度も
適当であった(86%)と回答しています。

 以上の結果から、研究者らは、心血管疾患の患者の生活習慣の改
善のためにテキストメールは有効であると結論づけています。今後、
効果の持続時間等について研究を続けるとしています。

【文献】
Chow, C.K. et al.: Effect of Lifestyle-Focused Text Messaging 
on Risk Factor Modification in Patients With Coronary Heart 
Disease: A Randomized Clinical Trial. JAMA, 314: 1255-1263. 
(2015) [doi: 10.1001/jama.2015.10945]

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■ 文学の中の果物:一月一日(永井荷風)

 私は春の野辺へ散策(ピクニツク)に出て大きなサンドウイツチ
や、林檎を皮ごと横かぢりして居る娘を見ても、或はオペラや芝居
の帰り、夜更(よふけ)の料理屋で、シヤンパンを呑み、良人や男
連には眼も呉れず饒舌(しやべ)つて居る人の妻を見ても、よしや、
最(もう)少し極端な例に接しても、私は寧ろ喜びます、少くとも
彼等は楽しんで居る、遊んで居る、幸福である。されば、妻なるも
の、母なるものゝ幸福な様(さま)を見た事のない私の目には、此
れさへ非常な慰藉(ゐしや)ぢやありませんか。

 お分りになりましたらう。私の日本料理、日本酒嫌ひの理由(い
はれ)はさう云ふ次第です。私の過去とは何の関係もない国から来
る西洋酒と、母を泣かしめた物とは全く其の形と実質の違つて居る
西洋料理、此れでこそ私は初めて食事の愉快を味ふ事が出来るので
す。』

  *

『恁(か)う云つてね、金田君は身上話を聞いて呉れたお礼だから
と、僕が止めるのも聞かずに、到頭たうとう三鞭酒(シヤンパンし
ゆ)を二本ばかり抜いた。流石(さすが)西洋通だけあつて葡萄酒
だの、三鞭酒なぞの名前は委(くは)しいもんだ。』

 弁者(べんしや)は語り了つて、再び雑煮の箸を取上げた。一座
暫(しばらく)は無言の中に、女心の何につけても感じ易いと見え
て、頭取の夫人の吐く溜息のみが、際立つて聞えた。

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■ くだものいちば

 今回は、大阪市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹
介します。入荷量が多いのは、リンゴ、ミカン、イチゴ、カキなど
です。

ウンシュウミカンは和歌山、愛媛産などです。
デコポンは長崎、熊本、鹿児島産です。ユズは愛媛、徳島産、スダ
チも入荷しています。

リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林、など)は青森、長野産です。

セイヨウナシ(ラ・フランス、ルレクチェ)は山形、新潟産です。
カキ(富有、など)は福岡、鳥取、奈良産です。

イチゴ(あまおう、ほのか、さちのか)は佐賀、福岡、長崎、熊本、
徳島産です。
メロン(アールス、など)は静岡、高知、宮崎産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:果物摂取で認知症予防

 脳細胞の病気である認知症になると記憶力や判断力、学習能力な
どが、ゆっくりと低下していきます。認知症は、高血圧、糖尿病、
動脈硬化などの生活習慣病等が原因で発病しますが、近年、著しく
進歩している脳の研究から脳細胞を健康に保つには、日頃の食事が
大切なことが分かってきました。

 例えば、血圧が高くなると脳に血液を送っている血管が損傷して
脳への酸素供給量が減少します。すると、神経細胞同士の接続が壊
れて認知症になります。そのため、高血圧など生活習慣病を予防す
ることが大切です。

 果物などが豊富な食生活は、生活習慣病予防だけでなく、認知症
予防にも効果的です。

 認知症は、65歳以上の高齢者に非常に多くみられる病気ですが、
発病するかしないかは、若い頃からの食生活が大きく影響します。

 フィンランドで行われた14年間にわたる研究によると、50歳の頃
に果物などが豊富な健康的な食事をしていた人は、飽和脂肪酸など
が多い不健康な食事をしている人と比べ、認知症の発病リスクが約
90%も低いことが分かりました。

 死ぬまで元気でいるために、果物を毎日少なくとも200g以上摂取
することが大切です。

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■ 編集部より

 「くだもの&健康ニュース」が100号を迎えることが出来まし
た。前身の「果物&健康NEWS」は295回配信したので、全体で395回
となりました。果物の摂取量に関して言えば、まだ冬の時代ですが、
「春遠からじ」と信じて活動を続けていきます。皆様、良いお年を!(tnk)

 皆さん、冬至に柚子湯に入りましたか?今年も残すところあと1週間。
ふり返れば、6月からメルマガを担当して半年になりますが、私自身、
果物を食べる量が以前より確実に増えたように思います。無理に食べ
ようとはしていないのですが、食べ物として果物が在ることを意識する
だけで、自然に増えるものですねえ。
来年もよろしくお願いいたします。皆さんもよい年をお迎えください。
(KM)


くだもの&健康ニュース ご愛読に感謝申し上げます。

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     編集長 田中敬一 (tnk)


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