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くだもの&健康ニュース Vol.59
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.59
■□■ 2014年2月14日(金)配信

みなさん、こんにちは!
バレンタインデーには果物を!
冬季オリンピック、がんばれ日本!
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ウメ
・ くだもの広場:ロシアで食べられている果物は何ですか。
・ 文献紹介:成人における脳内の糖代謝
・ 花実好きの家庭果樹だより:おもと
・ 文学の中の果物:樹木とその葉−梅の花櫻の花(若山牧水)
・ くだものいちば
・ 読者から:ORACの記事について
・ 読者から:リンゴポリフェノールについて
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やは隠るる

    − 凡河内躬恒(古今和歌集)

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■ くだものレシピ:ウメ

○ 小梅で梅の花

 お節句のお飾りにいかがですか?

材料(1個分)
小梅 2個、卵(黄身のみ) 適量

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/480232

○ 鳥肉のシソ、梅肉、チーズ はさみ焼き

 油使わないのに、カリッとジューシー

材料(2人分)
 鳥肉(もも) 1枚(350g)、シソ 2枚、梅干し 2個、とろけるチー
ズ 2枚、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2489438

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■ くだもの広場:ロシアで食べられている果物は何ですか。
 
 果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに
やって来ました。

ミカ:こんにちは。オリンピックが行われているソチはロシアの都
   市ですが、ロシアではどんな果物が食べられていますか。
   
博士:こんにちは。ロシアは寒冷地なので、栽培される果物の大半
   はリンゴで、これまでは、リンゴくらいしか出回っていなかった
      ようだね。でも、近年は経済成長もあって、輸入果物が増加し、
      輸入品のシェアは8割前後になって、オレンジ・みかん、バナナ、
      洋なし、ぶどう、モモ・ネクタリンなども多く出回っている
      ようだよ。
   
ミカ:果物はどれくらい食べられていますか。
博士:国連食糧農業機関(FAO)の2009年版統計をみると、1人1日
   当たりでは、171gだね。日本の144g、ポーランドの154gよ
   りも多いけど、ドイツの228gよりは少ないね。
ミカ:何が多いですか。
博士:現在もリンゴが一番食べられていて、55gだね。次にオレンジ・
      ミカンで22g、バナナ19g、ブドウ6gと続くね。「その他の果物」
   に入っているスイカはリンゴと同じくらいの生産量があるから
      2番目かも知れないね.


ミカ:ロシアが日本から輸入している果物はないんですか。
博士:あるにはあるけど、日本産果実はエキゾチックで超高級マーケット
   にしか販路のない高嶺の花のようだね。最高級スーパーの価
   格をみると、りんごで、フランス産の「ピンクレディー」がkg当た
      り176ルーブルに対して日本産の「陸奥」は2860ルーブル、みかんで、
      オレンジが136ルーブルに対して日本産「せとか」は3864ルーブル
      と桁違いの高い価格になっているんだね。日本のブランド力
      を背景にした一種の贅沢品なんだね。

ミカ:そんなに高いのならどんどん日本から輸出すればいいですね。
博士:そうはいかないんだ。大量に安価に輸入・販売する他の国か
   らの輸入果実とは差がありすぎ、高価なプレミアム品質を期待
   する購入者の条件が厳しいため、手間がかかり、かつ、少量
   のためロシアの輸入業者で取り扱う会社がいないようだよ。

ミカ:日本からは輸送時間もかかるし、新鮮で、みずみずしい品質
   を保ったままでの輸入は、コールドチェーンや梱包方法など
   の流通システムが十分に機能しないと難しいんですね。
博士:そのとおりだね。いくら美味しくても、日本から輸出するには
      輸出相手国の流通事情に合わせた商品作りが必要ということ
      だろうね。

*本編の博士の引用の多くは、「ロシアにおける日本産果実の販売可
能性および同国の果樹農業・政策基礎調査報告書」(2010年7月(公財)
中央果実協会)によっています。

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■ 文献紹介:成人における脳内の糖代謝

 アメリカ、ワシントン大学などの研究チームは、人においてブド
ウ糖(果物などに含まれている単糖)をエネルギー源として消費し
ている脳では、成人になっても子供の頃のように脳が発達し続けて
いる部位があると「細胞代謝」の最新号に発表しました。

 研究では、解糖が特に盛んな16ヵ所の脳の領域を特定し、それぞ
れの領域と持続的な脳の発達との関係を調査したところ、16ヵ所の
領域の遺伝子発現は、「ネオテニー(幼形成熟)(注1)」現象と関連
していました。次に、解糖活性が高い領域で多く発現していた遺伝
子は、脳内のシナプス(注2)の可塑性やシナプス伝達などと関連
しており、脳の発達において重要な役割を果たしていることが確か
められました。

 今回の研究により、解糖活性と関連している遺伝子の発現は、幼
児で顕著に見られる持続的なシナプスの発達やニューロン(注3)
の形成に関与していると結論付けられました。特に思考力や知識の
獲得に関連した大脳皮質で「ネオテニー(幼形成熟)」の傾向が強
いことも示唆されました。

 脳内の各部位の既存の回路の再構築(リモデリング)などが、成
人になっても持続していることが分かり、脳の健康や神経性疾患を
理解するために役立つと研究者らは考えています。

【用語解説】
1)ネオテニー(幼形成熟)とは、生殖器官に比べ、体の発育が相対
的に遅れるために起こる現象のこと。
2)シナプスとは、ニューロン(注3)とニューロンの接触部をいい、
情報伝達に関与している。
3)ニューロンとは、神経細胞のこと。

【文献】
Goyal, M.S. et al.: Aerobic Glycolysis in the Human Brain Is
Associated with Development and Neotenous Gene Expression.
Cell Metab., 19(1): 49-57. (2014 ) [doi: 10.1016/j.cmet.2013.11.020]

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■ 花実好きの家庭果樹だより:おもと

 
 オモトの赤い実が真冬の玄関前を彩っています。
オモトの赤い実は、下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K059phto1.html

 センリョウやマンリョウの実の次に野鳥に食べられるのがオモト
の実です。(花実好き) 

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■ 文学の中の果物:樹木とその葉−梅の花櫻の花(若山牧水)

 きさらぎは梅咲くころは年ごとにわれのこころのさびしかる月

 梅の花が白くつめたく一輪二輪と枯れた樣な枝のさきに見えそむ
る。吹きこめた北の風西の風がかすかな東風(こち)にかはらうと
する。その頃になるときまつて私は故のない憂欝に心を浸されてし
まふ。

 眼をあけてゐるのもいやだが、而かも心の底は明るく冷やけく澄
んで居る。爲事のいやになるのもこの頃である。煙草のいゝのを喫
ひたくなるのもこの頃である。

 あたりの木々も、常磐樹ならば金屬の樣に黒く輝き、落葉樹なら
ばたゞ明るく靜けく枯れた樣に立つてゐる。根がたの草はみなひと
しく枯れ伏してうすら甘いその頃の日ざしを含んでゐる。さうした
なかに一りん二りんと咲き出づる梅の初花を私は愛する。

 年ごとにする驚きよさびしさよ梅の初花を今日見出でたり
 梅咲けばわがきその日もけふの日もなべてさびしく見えわたるか

 梅の花はつはつ咲けるきさらぎはものぞおちゐぬわれのこころに

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■ くだものいちば

 今回は、熊本市地方卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのはミカン、リンゴ、イチゴ、メロン、バナナ
などです。

ウンシュウミカンは熊本産です。
イヨカンは愛媛産、ハッサクは熊本、和歌山産、ポンカン、キンカ
ンは熊本産です。そのほか、レモン、バレンシアオレンジ、グレ−
プフル−ツ、ネーブルオレンジ、甘ナツミカンなども入荷しています。

リンゴ(ジョナゴ−ルド、ふじ、など)は青森産です。

イチゴ(ほのか、あまおう、など)は熊本、福岡産などです。

メロン(アールス、アンデス、ハネジュ、など)は熊本、静岡、メ
キシコ産などです。

バナナ、パイナップルはフィリピン産です。

キウイフル−ツは福岡産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ 読者から:ORACの記事について

 数年ぶりの投稿です。
 USDAのORAC法の記事は大変興味深かったです。いちごも抗酸化力
が高いのですが、栄養学の先生には認めてもらえません。

 今後も楽しみにしています。(メルマガネーム:いちごちゃん)

追伸
今年はトキりんごが多く出回っています。
小ぶりでもとても甘くて美味しいです。
3箱も買ったので柿の出番がありません。

【編集部より】
 メールありがとうございました。これからも皆様に読んでいただ
ける記事を配信していけるようにがんばります。

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■ 読者から:リンゴポリフェノールについて

 はじめまして。いつもメールマガジン楽しく拝見しております。
今日は1つ質問がありましてご連絡させていただきました。

 リンゴポリフェノールの1つで「アップルフェロン」という成分
が虫歯予防によいと色々なサイトや本などに記載されているのです
が、調べたところ、「アップルフェロン」ではなく「アップルフェ
ノン」という言葉があり、この言葉はアサヒビールさんが商標登録
している言葉で特定の成分を示したものではないとアサヒビールさ
んのHPで読みました。

 アサヒビールさんの研究ではリンゴポリフェノールが中性脂肪や
内臓脂肪を抑えたりする研究結果が出ていましたが虫歯を予防する
とは一言も書かれてありませんでした。

 ですが、歯医者さんのHPやリンゴを販売しているサイトなどでも
「アップルフェロン」という「成分」が虫歯に効果的とよく書かれ
てあり、アップルフェノンとアップルフェロンは別物なのか?それ
ともアップル「フェノン」という言葉が間違ってアップル「フェロ
ン」として使われているのか気になり、もしこの件でご存知でした
ら教えて頂けないでしょうか。(商標登録している言葉が変わるこ
と自体、ありえないですし、虫歯予防にいいという研究結果や文献
を探しましたが1つもみつかりませんでした)

まとめると
(1)リンゴポリフェノールの中に「アップルフェロン」という成分が
実在するのかどうか?
(2)もし実在するのであれば、アップルフェロンという成分が虫歯に
よいとされる根拠は何か?そういう文献などはあるのかどうか?
以上です。

 お忙しいところ恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。(メ
ルマガネーム:小針彫佳)

【編集部より】
 メールありがとうございました。リンゴポリフェノールとはリン
ゴに含まれているポリフェノールのことで、単一の物質を指すわけ
でも、特別な物質を指すわけでもありません。アップルフェノンは
アップル(apple)とポリフェノール(polyphenol)を組み合わせた
商標のようです。しかし、アップルフェロンは見当たりませんでし
た。

 試験管レベルの研究でポリフェノールは、歯垢の形成を制御でき
る可能性が示唆されていますが、人での効果は明らかではないので
今後の研究がまたれます。

 いずれにしても、人に勧めるには、論文があるだけでは不足で、
専門家によるシステマティックな評価が求められています。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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■ 編集部より

 抗酸化評価法ORAC撤回の記事は多くの方に読まれていると実感し
ています。最新の医科学データは、サプリメントより果物の摂取が
重要なことを強く支持しています。そのことを多くの人に知ってい
ただきたいと思っています。(tnk)

 朝日新聞の2月2日のGlobe日曜版でフルーツが特集されました。小
職も取材を受け、果糖は血糖値を上げにくいことを丁寧に説明したら、
紙面に大きく掲載されました。情報発信効果大と喜んでいます。(HK)


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     編集長 田中敬一 (tnk)


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