ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第31回 イチジクとカルシウム  


  

      
□□■ 果物&健康NEWS Vol.31 ■□□
   ■ 2004年10月8日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
今回は、イチジクの特集です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp



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 ◇ イチジクとカルシウム
 ◇ イチジクの選び方、美味しい食べ方
 ◇ 今週のレシピ
 ◇ 芸術の秋
 ◇ 編集後記



□ イチジクとカルシウム

 一昔前までは民家の庭先に必ず1〜2本のイチジクが植えられていました。食べ頃になったとき、鳥たちに先に食べられてしまった悔しい思いを経験したかたもおられるのではないでしょうか。果実を食べる動物や鳥たちは、不思議なことに他の果実が豊富にあっても、イチジクを好んで食べることが知られています。この理由を調査した研究者によれば、鳥が産卵したり、動物が成長するために必要なカルシウムを摂取するために、イチジクを食べるのではないかと推定し、科学雑誌(Nature 392:668 (1998))に報告しています。

 イチジクは、カルシウムの供給源(生果52mg/200g、乾果260mg/200g)として優れており、一日に必要な栄養所要量を生果では8.7%、乾果では43%満たせます。カルシウムは、丈夫な骨と歯をつくるために必要なミネラルなので、成長期の子供や妊婦(+300mg)、授乳婦(+500mg)は、特にカルシウムを多く必要とします。カルシウム不足の状態が続くと、骨や歯からカルシウムが溶け出してしまうので、成長期だと歯の質が低下し、あごの骨の発育が悪くなります。骨の質が悪くなると、腰痛や肩こり、ひいては骨がもろくなる骨粗鬆症にもなりかねません。とくに女性は、閉経後に骨粗鬆症の発症率が急上昇するので、若いうちから積極的にカルシウムを摂取することが大切です。ところが、栄養調査によると、日本人のカルシウムの摂取量は、一日に必要な栄養所要量を満たしていません。また、カルシウムは単独で摂るよりも、ビタミンDやマグネシウムを併せて摂取すると、体内で吸収されやすくなります。イチジクには、マグネシウムも28mg/200g(生果)、124mg/200g(乾果)と豊富に含まれているので、カルシウム不足が気になる人に勧められる果物です。

 さらに、イチジクには食物繊維(生果3.8g/200g、乾果21.9g/200g)が豊富に含まれており、乾燥イチジクでは全重量の10%にもなります。一日に必要な食物繊維の量は20〜25gとされていますが、日本人の食物繊維摂取量は16g/日くらいで、必要量に達していません。しかし、イチジク(乾果)を200g食べるだけで、1日に必要な食物繊維を摂取することができます。食物繊維には、水溶性と不溶性の二つに分類されますが、イチジクは他の食品に比べて水溶性食物繊維(生果1.4g/200g、乾果6.6g/200g)の割合が高いのが特徴です。水溶性食物繊維は、血糖値の上昇を抑制する効果や高脂血症を予防する効果、腸の運動を活発にし、便通を整えてくれる働きがあります。



□ イチジクの選び方、美味しい食べ方

 全体に均一に色づき、形がよく張りのあるものがよいでしょう。全体に赤紫色に色づき、頭が少し割れたときが食べごろです。そのまま食べるのが一番ですが、コンポートやジャムにしても美味しく食べられます。ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存します。柔らかいため、他の食品とぶつからないようにしてください。




□ 今週のレシピ

○千葉県長生農業改良普及センターにおいて、イチジク料理コンテストが行われた時の入賞作品です。

 1位 イチジクの甘露煮(宮城県ORIEさん)、
 2位イチジクのマドレーヌ(三重県 里見彩子さん)、
 3位 イチジクの天ぷら味噌ソースかけ(千葉県 藤乗勝江さん)

 作り方と料理の写真は下記のサイトで、
 http://www.agri.pref.chiba.jp/apcenter/chousei/fukyu/itizikukekka.htm

○カナダ大使館が提供する「イチジクとポークのバーベキュー」レシピのサイトは下記です。

 http://www.canadanet.or.jp/a_f/pork_recipe8.shtml

 準備:15分、調理:14分
 材料:豚もも肉(角切り:625g) 20個、干しイチジク 16個
     マリネソース(ケチャップ 大さじ2、酢 大さじ1、
       ウスターソース 大さじ1/2、塩、こしょう 適量)



□ 芸術の秋

 芝田米三作「葡萄といちじく」(油彩:正光画廊のサイト)
 http://www.seikougarou.co.jp/MUSEUM/YShibata/syz-10-1/budotoichijiku.html



☆ 編集部より ☆

 子供の頃、私の家にもイチジクの木があり、秋には果実を美味しく食べましたが、木登りの対象でもありました。今回、少しだけレイアウトを変更しシンプルにしてみました。(tnk)

 大夫、涼しくなってきました。体調管理にはご注意を。(N)


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