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第231回 糖尿病専門医に紹介したくだものの働き
 (その2) 果物のカロリ−の昔と今、国際比較

  



■□ 果物&健康N8WS Vol.231
□■  2009年1月30日(金)


みなさん、こんにちは。お元気ですか。
特集は「糖尿病専門医に紹介したくだものの働き(その2)」です。
科学を生活に! 科学技術立国の一翼を担う「果物&健康NEWS」
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp

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 ◇ 梅の花の句
 ◇ 今週のレシピ:晩柑類
 ◇ 糖尿病専門医に紹介したくだものの働き
   (その2) 果物のカロリ−の昔と今、国際比較
 ◇ 品種紹介:カンキツ「興春ポンカン」
 ◇ 文献紹介:炭水化物の摂取量が少ないと認識能力に影響
 ◇ 文献紹介:ホット・リンゴ・ドリンクで風邪やインフルエンザを軽減
 ◇ 果物花便り:太宰府天満宮(福岡県)
 ◇ 文学の中の果物:下町(林芙美子)
 ◇ 今週の果物
 ◇ 編集部より



□ 梅の花の句

  白梅やひと日南をあこがれぬ

        石川 啄木




□ 今週のレシピ:晩柑類

○ デコポンのくず湯

材料 (4人分)
 デコポン(絞り汁) 4カップ、くず粉(または片栗粉) 30g(片栗粉なら40g)、砂糖 50g

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.daiei.jp/sukoyaka/recipe/
s.cgi?md=rc&id=20060221


○ いよかんクラフティ

材料 (4人分)
 いよかん(むき実) 200g、薄力粉・砂糖 各大さじ3杯、卵 1個、卵黄 1個、牛乳 3/4カップ、生クリーム 3/4カップ、バター 少々、グラニュー糖 大さじ2杯

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.daiei.jp/sukoyaka/recipe/
s.cgi?md=rc&id=20060222





□ 糖尿病専門医に紹介したくだものの働き
  (その2) 果物のカロリ−の昔と今、国際比較


【専門医からの質問】
 最近の日本の果物は過去の果物や外国の果物に比べ、糖度が増しカロリーが高くなっているのでしょうか?

○ 果物の昔と今

 専門医だけでなく消費者からも「昔と比べて最近の果物は美味しからカロリーも高いのでしょう」との質問がよくあります。そのことを調べるには、日本食品標準成分表(食品成分表)が適しています。平成12年(2000)に公表された五訂成分表と、その18年前に公表された四訂成分表(1982)に記載されている100g当たりのカロリー値を比較してみると、ウンシュウミカンでは44kcalから46kcalへ、リンゴでは50kcalから54kcalへと増えたものから、カキのように変わらないもの、キウイフルーツのように減ったものまであります(表1)。果物全体を見ると大きな変化はありません。一方、クロワッサンは431kcalから448kcalへと17kcal増加し、水稲めしは148kcalから168kcalと20kcal増加しています。従って、昔と比べて最近の果物はカロリーが、特に増加したとは言えません。

 「果物は昔と比べて美味しくなっているのにどうして?」と、疑問に思われるかも知れません。糖度は、果物の美味しさを決める重要な要素の1つですが、それだけでは決まらず、糖度と酸度の比率や肉質などと関係しています。

表1.四訂、五訂成分表における主な
 果物のカロリー比較(kcal/100g)
−−−−−−−−−−−−−−−−−
果物の種類   四訂  五訂
−−−−−−−−−−−−−−−−−
アンズ      33   36
ウンシュウミカン 44   46
キウイフルーツ  56   53
サクランボ    54   60
ニホンナシ    40   43
ブドウ      56   59
モモ       37   40
リンゴ      50   54
−−−−−−−−−−−−−−−−−
四訂:四訂日本食品標準成分表(1982)
五訂:五訂日本食品標準成分表(2000)


○ アメリカと日本の果物のカロリー比較

 日本の果物が美味しいため、アメリカの果物と比べて糖度が高く、カロリーが多いと思われていますが、これも果物にまつわる誤解の1つです。日本とアメリカで食べられている果物のカロリーを日本食品標準成分表とアメリカ・農務省(USDA)が作成している成分表(USDA National Nutrient Database for Standard Reference)で比較してみました(表2)。

 リンゴのカロリーは日本では54kcal、アメリカでは53kcalで、ほとんど同じです。バナナ、ニホンナシ、モモのカロリーも、日本とアメリカでほとんど同じです。一方、アンズ、ブドウ、オレンジではアメリカの方が高いくらいです。このように、日本とアメリカの果物のカロリーに違いはありません。


表2.日本とアメリカの果物の
 カロリー比較(100g当たり)
−−−−−−−−−−−−−−
種類    日本  アメリカ
−−−−−−−−−−−−−−
バナナ   86    89
ブドウ   59    69
リンゴ   54    53
ニホンナシ 43    42
モモ    40    39
オレンジ  39    47
アンズ   38    48
−−−−−−−−−−−−−−


○ まとめ

 最近の果物が美味しいのは糖分が増加したというより、甘酸適和、肉質の改善などで美味しくなったのです。これは我が国の育種の成果です。また、1グラム当たりの炭水化物のカロリーは4kcalですが、脂肪のカロリーの9kcalやアルコールの7kcalと比べてかなり低くいのです。そのため、仮に果物の甘さ(糖度)が1%増加してもカロリーはたったの4kcalしか増えません。

 従って、日本の果物は過去の果物や外国の果物に比べ、糖度が増えカロリーが高いことはありません。

 (つづく)




□ 品種紹介:カンキツ「興春ポンカン」

 「興春ポンカン(こうしゅんぽんかん)」はポンカンの珠心胚実生(しゅしんはいみしょう)です。果実は扁球形で、大きさは130g程度とやや小果です。果皮は橙黄色〜橙色で、果皮の厚さは3mm程度で、剥皮は容易です。果肉は橙色〜橙黄色で、多汁です。果汁の糖度は13%程度と高く、食味が優れています。種は5〜15粒と多く含まれています。成熟期は12月下旬〜1月中旬で、ポンカンとしては普通です。

「興春ポンカン」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-koshunponkan.html





□ 文献紹介:炭水化物の摂取量が少ないと認識能力に影響

 炭水化物の摂取量の少ない食事がどう認識能力に影響するかについて、ダイエットとの関係から調査が行われました。ダイエットには様々な食事摂取法が提案されていますが、カロリー制限食(米国食事療法協会推奨)に比べて炭水化物の摂取量を減らす低炭水化物ダイエット食は、記憶力が必要な作業の能率を下げることが分かったと、アメリカ、タフツ大学の研究チームが「食欲」に発表しました。

 研究では22歳から55歳の女性19人を対象に、低炭水化物ダイエット食かカロリー制限食を選んでもらい、3週間それぞれの食事を続けてもらいました。その結果、開始後1週間で、炭水化物の摂取を厳しく制限をしている低炭水化物ダイエット食のグループは、難しい作業に対する記憶効率が低下が認められました。

 カロリー制限食の10人と比べて、低炭水化物ダイエット食のグループは、週を追うごとに次第に記憶効率が低下していきました。一方、満腹感(空腹感)には両者に違いはありませんでした。

 以上の結果から、脳はブドウ糖をエネルギーとして使うため、低炭水化物ダイエット食は学習、記憶、思考能力に有害かもしれないと、研究者は指摘しています。

【文献】
D'Anci, K.E. et al.: Low-carbohydrate weight-loss diets. Effects on cognition and mood. Appetite, 52: 96-103. (2009) [doi: 10.1016/j.appet.2008.08.009]




□ 文献紹介:ホット・リンゴ・ドリンクで風邪やインフルエンザを軽減

 ホット・ドリンクは風邪やインフルエンザに対する昔からの一般的治療法ですが、このことに関する科学的で臨床的な報告は全くありませんでした。そこで、イギリス、カーディフ大学の研究チームが、風邪やインフルエンザになった人に暖かい飲み物を飲んでもらい症状が軽減することを確認したと「鼻科学」に発表しました。

 風邪やインフルエンザになると鼻水、喉の痛み、咳などの症状が表れますが、このような時に、ホット・ドリンクを飲むと軽減されます。

 研究では風邪やインフルエンザの症状のでている30人のボランティアに、リンゴとクロフサスグリのコーディアル(果汁のシロップを水で薄めた甘い飲み物)を飲んでもらいました。その結果、暖かい飲み物を飲んだ場合は鼻水、くしゃみ、咳、喉の痛み、悪寒、疲労症状が即座に緩和しました。そして、その効果は持続しました。一方、室温の飲み物を飲んだ場合は、鼻水、くしゃみ、咳の症状のみが緩和しました。

 以上の実験結果は、ホット・ドリンクは風邪やインフルエンザに有効であることを示していますが、研究者らは心理的な作用も働いている可能性も指摘しています。

【文献】
Sanu, A. and Eccles, R.: The effects of a hot drink on nasal airflow and symptoms of common cold and flu. Rhinology, 46: 271-275. (2008)




□ 果物花便り:太宰府天満宮(福岡県)

 1月29日、御本殿横の御神木「飛梅」が開花しました。
 福岡県太宰府にある大宰府天満宮の早咲きの御神木「飛梅」が開花しました。天満宮には197種類もの品種があり、極早咲-早咲-本咲-遅咲-極遅咲があるので、1〜3月中旬まで、ウメの香を楽しめます。

梅の盆栽市(境内広場)
1月24日(土)〜3月1日(日)予定

ウメの開花情報は下記サイトです。
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/tayori/tyr_2_09.htm#kaika
ホームページは下記です。
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/home.htm




□ 文学の中の果物:下町(林芙美子)

 りよは青い波模様の、着物地でつくつたワンピースに、これも綿入りの薄茶の背広の上着を着て、何となくおめかしをして留吉の手を引いてゐた。不断より若く見えたし、ひどく背の高い鶴石と並ぶと、りよは洋服のせゐか女学生のやうに背がひくく見えた。

「雨が降らなきやいゝがなあア……」鶴石は人ごみの中を、気軽に留吉を抱きあげて歩いた。りよは大きな買物袋をさげて、それにパンや、のり巻きや、夏みかんを入れてさげてゐた。地下鉄で浅草の終点まで行き、松屋の横から二天門の方へ歩いて、仲店の中へはいつて行つた。

 りよは、浅草と云ふところは、案外なきたいはづれな気がした。朱塗りの小さい御堂が、あの有名な浅草の観音様なのかとがつかりしてゐる。昔は見上げるやうに巨きいがらんだつたのだと、鶴石が説明してくれたけれども、少しも巨きかつたと云ふ実感が浮いて来ない。只、ぞろぞろと人の波である。この小さい朱塗りの御堂を囲んで人々がひしめきあつてゐる。トランペットやサキソオホンの物哀しい誘ふやうな音色が遠くでしてゐた。公園の広場の焼け跡の樹木は、芽をはらんだ梢を風に鳴らして、ざわざわと荒い風にあへいでゐる。

 古着市場のアーチを抜けると、食物屋のバラックが池のぐるりにぎつしり建つてゐた。油のこげつく匂ひや、関東煮の大鍋の湯気が四囲にこもつてゐた。留吉は箸の先に盛りあげた黄いろい綿菓子を鶴石に露店で買つて貰つて、しやぶりながら歩いてゐる。――かりそめのめぐりあひとは云へ、りよは十年も一緒に鶴石とゐるやうな気がして力丈夫だつた。少しも疲れなかつた。映画館やレヴィュー小舎が軒をつらねてゐる。アメリカ風な絵看板が、みんな唸つて迫つてくるやうな大きい建物の谷間を、三人はぶらぶら歩いた。「雨が降つてきたね」鶴石が片手をあげたので、りよも空へ顔をむけた。大粒の雨が降つてきた。折角の遊山も台なしだと思ひながら、りよ達はメリーと硝子行灯の出てゐる小さい喫茶店にはいつて行つた。思ひがけなく桜の造花が天井からさがつてゐるのが案外寒々しく見えた。紅茶を取つて、りよはのり巻きやパンを出して鶴石や留吉に食べさせてやつた。鶴石は煙草を吸はなかつたので食事も案外早く済んだが、雨は本格的になり、雨宿りの客もいつの間にかいつぱいたてこんできた。




□ 今週の果物

 今回紹介するのは福岡市の青果物市場で扱われている果物です。地元福岡産の果物はネーブルオレンジ、甘ガキ、イチゴ、キウイフルーツなどです。市場での取り扱いが多い産地は青森県と福岡県です。次いで佐賀県、山口県、愛媛県、熊本県、長野県と続きます。果物別ではウンシュウミカン、リンゴ、イチゴ、甘ガキの順です。

ウンシュウミカンは山口、佐賀、熊本産、ネーブルオレンジは福岡産、イヨカンは愛媛産、ハッサクは熊本、高知、大分産などです。

リンゴ「ジョナゴールド」は青森産、「王林」は青森産、「ふじ」は青森、長野産です。

イチゴは福岡、長崎、佐賀産です。

甘ガキは福岡産です。キウイフールツは福岡産です。
温室メロンは宮崎、静岡産です。スイカは熊本産です。




☆ 編集部より ☆

 ホット・リンゴ・ドリンクの文献を読み子供の頃を思い出しました。風邪をひくと母がリンゴの皮を煮だした湯を飲ませてくれました。風邪に効果があったかどうかは全く思い出せませんが、甘いリンゴ湯のことはよく覚えています。(tnk)

 頂いたキウイフルーツの傷みが激しくなってきました。今が最もやわらかくて甘く、このままの状態で保存できればなぁと思ってしまいます。残りあと5つです。(KT)




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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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