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第177回
 ガン予防:エビデンスの科学的判定と勧告

  




□□■ 果物&健康NEWS Vol.177 ■□□
   ■ 2007年12月7日(金) ■


みなさん、こんにちは!
特集は「ガン予防:エビデンスの科学的判定と勧告」です。
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:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:シィクワシャー
 ◇ 今週のレシピ:ミカン
 ◇ ガン予防:エビデンスの科学的判定と勧告
 ◇ 品種紹介:カンキツ類「たまみ」
 ◇ 文献紹介:高GI食は2型糖尿病のリスクを高める
 ◇ 文献紹介:脳卒中からの回復を妨げる代謝因子
 ◇ 読者から:果物を食べるタイミングについて
 ◇ 文学の中の果物:山羊の歌(中原中也)
 ◇ やさい・くだもの健康食生活セミナー
    −子どもの健康と野菜・果物の役割−
 ◇ 未来の農業の姿のアイデアの審査結果
 ◇ 今週の果物
 ◇ 今日のフォト
 ◆ 広告(なつかし編)
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:シィクワシャー

 シィクワシャーは、我が国の南西諸島から台湾にかけて野生しているタチバナに似たマンダリンです。特有の芳香と食味があり、料理や生食・ジュースに利用されています。

 別名にシークヮーサー、ヤブタチバナ、クニブ、ヒラミレモンなどがあります。シィクワシャーとされたのはカンキツ分類の権威、故田中長三郎博士が1926年に「植物研究雑誌」に報告したことによります。

 最近の研究からシィクワシャーの果実にガン予防などに有効なフラボノイドの一種であるノビレチン、リュウマチ予防に関わるタンゲレチンが多く含まれていることが分かり、注目されています。
 



□ 今週のレシピ:ミカン

○ 手羽元のみかん
材料
 みかん 4個位、手羽元 8本、ショウガ 半片(10g)、ニンニク 1かけ、など

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.pref.shizuoka.jp/
sangyou/sa-360/cook/m-tebamoto.htm


○ 冷凍みかん
材料
 みかん、水

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/
sa-360/cook/ice-mikan.htm





□ ガン予防:エビデンスの科学的判定と勧告

 ガンは生活習慣病です。生活環境因子を適切に管理すれば、ガンを防げるか、発症を遅らせることが出来ます。そのため、世界ガン研究基金の報告では、生活環境因子に関わる文献(エビデンス)を調査し、ガン予防(/発症)に有効かどうか判定を行っています。

 科学的根拠をもとに「確実」、「おそらく確実」とされた生活環境因子についてパネラリストは、ガン予防(/発症)に有効と判定しています。果物と関係する「おそらく確実」の判定基準は以下の通りです。

 「おそらく確実」の評価基準は、十分強い証拠があり、原因との関係がはっきりしていること。そのため、少なくとも2件の独立したコホート研究、5件の症例対照研究が必要である。また、観測された関連性にはバイアスなどがなく、系統的で、生物学的に十分考えられる結論であること。

 胃ガンと果物摂取との関係は以下の通りです。前回の報告では胃ガンに対するコホート研究は3件だけでしたが、今回は9件に増加しました。症例対照研究は29件です。この中には胃ガン予防と果物摂取との間には関連が見られないとする報告も含まれており、議論となっていました。

 パネリストは、「コホート研究よりも症例対照研究において、摂取量とガン予防効果の対応関係が一致しており、証拠として十分である。また、果物が胃ガンを予防するとするメカニズムに関する証拠もある。従って、果物は「おそらく確実」に胃ガンを予防する。」と判定しました。

 こうして、果物は4つのガン(口腔・咽頭・喉頭ガン、食道ガン、胃ガン、肺ガン)に対する予防効果が「おそらく確実」と判定されました。

 また、果物に含まれているカロテノイドは口腔・咽頭・喉頭ガン、肺ガンに、β-カロテンとビタミンCは食道ガンに(ただし、β-カロテンサプリメントは、肺ガンを「確実」に発症すると判定)、リコペンとセレンは前立腺ガンに対して「おそらく確実」に予防すると判定されました。

 体脂肪の増加は、7つのガン(大腸ガン、閉経後の女性乳ガン、食道ガン、すい臓ガン、子宮体ガン、腎臓ガン、胆嚢ガン)のリスクを増加させると判断されましたが、肥満に対して果物や野菜などエネルギー密度の低い食品は「おそらく確実」にリスクを下げると判定されています。

 以上のようにエビデンスの科学的な判定結果をもとにパネリストは、ガン予防のための10ヶ条の勧告を行いました。その中で、「いろいろな果物と野菜、全粒穀物、豆類を食べましょう。」とし、個人に対しては、果物と野菜を少なくとも1日に 5サービング以上摂取することを勧めています。また、公衆衛生の政策上の観点からの目標はさらに高く、果物と野菜を少なくとも1日当たり600グラム以上摂取することと勧告しています。

【文献】
World Cancer Research Fund / American Institute for Cancer Research: Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: a Global Perspective. Washington DC: AICR, (2007)




□ 品種紹介:カンキツ類「たまみ」

 「たまみ」は、「清見(きよみ)」と「ウイルキング」を交配して出来た品種です。果実は平均 150g位で扁球形、果皮は薄く柔らかいので剥皮は容易です。果肉は橙色で柔らかく、果汁量が多く、糖度は12内外、酸含量は1月中旬には1.0 %程度となります。オレンジ様の強い香気があり食味は良好です。また、β−クリプトキサンチンの含有量が多いことも特徴です。

「たまみ」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/
ikuseihinsyu/data/hinsyu/cu-tamami.html





□ 文献紹介:高GI食は2型糖尿病のリスクを高める

 アメリカ・ボストン大学などの研究チームは、グリセミック・インデックス(GI)値の高い炭水化物を摂取している人は2型糖尿病のリスクが高まり、穀類由来の食物繊維を摂取しているとリスクが下がると発表しました。

 研究では、アメリカに住む黒人女性99,000人を対象に8年間追跡調査を行いました。その結果、GI値の高い炭水化物を摂取している人は、そうでない人と比べて2型糖尿病のリスクが23%高くなりました。一方、穀類由来の食物繊維を多く摂取している人は、少ない人と比べてリスクが18%低くなることが分かりました。特に、BMI値が25以下の人は、食物繊維を多く摂取しているとリスクが59%減少することが分かりました。

 以上の結果から、研究者らは、白パンから全粒小麦パン(2きれで食物繊維を3.8g含む)やレーズンブラン(食物繊維を5-8g含む)などに代えることを推奨しています。

【文献】
Krishnan, S. et al.: Glycemic Index, Glycemic Load, and Cereal Fiber Intake and Risk of Type 2 Diabetes in US Black Women. Arch. Intern. Med., 167: 2304-2309. (2007)




□ 文献紹介:脳卒中からの回復を妨げる代謝因子

 アメリカ・アルバートアインシュタインメディカルセンターなどの研究チームは、HDL-コレステロールが低く、ホモシステイン(主に肉類から供給されるアミノ酸の一種)が多いと脳卒中の回復を阻害すると発表しました。

 研究では、軽度の脳卒中になったアメリカ、カナダ、スコットランドに住む3680人を対象に2年間の追跡調査が行われました。その間、認識力などのテストを行い代謝因子との関係が調査されました。

 その結果、HDL-コレステロールのレベルが低く、ホモシステインのレベルが高いと脳卒中による障害からの回復が遅くなることが分かりました。特に、糖尿病でHDL-コレステロールが低いかホモシステインが高い人は、そうでない人と比べて障害のリスクが2倍でした。

 以上の結果から、研究者らは、脳卒中からの回復には代謝因子が関与しているとしています。しかし、その理由については今後の研究課題であると述べています。

【文献】
Newman, G. C. et al.: Association of diabetes, homocysteine, and HDL with cognition and disability after stroke. NEeurology, 69: 2054-2062. (2007)




□ 読者から:果物を食べるタイミングについて

 こんにちは。果物ニュース、いつも楽しく拝見しています。
 果物を食べるタイミングと消化について質問があります。空腹時に果物を食べると30分位ですぐに消化され、内臓に負担をかけず、体にとても良い。しかし、食事中や食後など、胃の中に別の食べ物が入った状態で果物を食べると、消化に時間がかかり、フレッシュな果物は酸化し腐ってしまう。また内蔵にとっても大変負担がかかり、よくない・・・

 上記のような事を、最近スポーツジムのインストラクターから聞きました。同じような内容を記載した文献も多々出ているそうです。インターネットで調べてみても、同様の内容がかなり出ていました。真偽のほどはどうなのでしょうか??

 私は果物が大好きで、朝食にはパンとフルーツを欠かさず、食後のデザートには必ず季節の果物を楽しんできたので大変ショックです。ぜひ調べてください。(神奈川:K)

【編集部より】
 果物&健康NEWSのご愛読ありがとうございます。
 おたずねの件についてお答えします。食品の胃の滞留時間は、摂取量や咀嚼などによって変動はありますが、水やお茶が1時間位、豆腐や牛乳で2時間位、通常3〜6時間かかります。また、果物は、細胞壁消化酵素を持っていますが、30分位では消化できません。例えば、果物をサイの目に切って長期間放置しても消化されないことでも分かります。したがって、食後に果物を食べても問題ありません。




□ 文学の中の果物:山羊の歌(中原中也)

私は炬燵(こたつ)にあたつてゐました
彼女は畳に坐つてゐました
冬の日の、珍しくよい天気の午前
私の室(へや)には、陽がいつぱいでした
彼女が頸かしげると
彼女の耳朶(みみのは) 陽に透きました。

私を信頼しきつて、安心しきつて
かの女の心は蜜柑(みかん)の色に
そのやさしさは氾濫(はんらん)するなく、かといつて
鹿のやうに縮かむこともありませんでした
私はすべての用件を忘れ
この時ばかりはゆるやかに時間を熟読翫味(ぐわんみ)しました。



中原 中也(なかはら ちゅうや)
 1907(明治40)年4月29日〜1937(昭和12)年10月22日、山口県山口市湯田温泉生まれ、詩人。詩集に「山羊の歌」、「在りし日の歌」、「ランボオ詩集」などがある。




□ やさい・くだもの健康食生活セミナー
  −子どもの健康と野菜・果物の役割−


 「やさい&くだものでスクスク健康家族」をテーマに、フジテレビ商品研究所食品料理研究室長山内寿子さんの講演やベジフルティーチャー原響子(元NHK名古屋キャスター)さんのトークショーにより、子どもの健康に野菜・果物が果たす役割や気軽に楽しく食べる方法など食事バランスガイドを活用した健全な食生活実現のためのセミナーを開催いたします。お気軽にご参加ください。

1)日時 1/29(火):14:00〜16:00
2)場所 さいたま新都心合同庁舎2号館 5階大研修室5A
3)内容 第1部「育ち盛りの子どもの健康に果物が果たす役割」
     第2部「体に大切な野菜の上手な食べ方について」
 詳しくはこちら:http://www.kanto.maff.go.jp/V_F2008.htm




□ 未来の農業の姿のアイデアの審査結果

 小中学生を対象として、「子ども霞が関見学デー」などで募集した「未来の農業の姿のアイデア」に多くの作品寄せられました。厳正なる審査の結果、下記の5作品が優秀作品として選ばれました。

 「たいへん夢のある作品をお送りいただきまして、ありがとうございました。地球に優しい農業、楽しい農業という子供達の夢の実現に向けて頑張ります」(審査委員長談)。

最優秀賞
 <海に浮かぶ農業アイランド>
  埼玉県鴻巣市 鴻巣中央小学校6年 高山楓さん
優秀賞
 <大好き農業>
  長崎県諫早市 北諫早小学校4年 牛嶋幹太さん
 <ロボット農業>
  東京都中野区 中野昭和小学校4年 青山広樹さん
 <未来のラクラク農業>
  東京都文京区 誠之小学校3年 井上士聞さん
 <ミカンをとるロボット>
  埼玉県川越市 今成小学校2年 島田優也さん

入賞作品は、下記のサイトでご覧いただけます。
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/
kihyo03/gityo/sinsa_kekka.html





□ 今週の果物

 ミカンは価格が安く食味も良いと好評です。リンゴ(「ジョナゴールド」、「ふじ」、「王林」、「シナノスイート」など)、カキ(「富有」、「平核無」、「次郎」など)が、甘くて美味しいと消費者の声が寄せられています。セイヨウナシ(「ラ・フランス」)にはリピーターが多いとのことです。イチゴが出回りはじめました。国産レモン、ブドウ(「巨峰」、「ピオーネ」など)も人気です。

生鮮食料品のマーケット・レポート(11月30日発行)は下記のサイトです。
http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/
data/market2007-11-3/market2007-11-3.htm





□ 今日のフォト

 プレスセミナー札幌で紹介されたロイトン札幌洋食料理長木村敦氏による北海道産りんごと洋なしを使ったオリジナルレシピです。

焼きりんご、
三元豚フィレ肉とりんごのはさみ揚げ マスタード風味
洋なしのキャラメルプリン 洋なしのシャーベット添え です。

余市のりんごなど北海道は、美味しい果物の産地です。

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News26.html
(掲載は終了しました




■ 広告(なつかし編)

 コタツの上のみかん 競って食べたあの頃



☆ 編集部より ☆

 科学論文(エビデンス)1つだけでは判断は難しく、総合判断が必要と本誌上で述べてきましたが、今回の報告はそのことを具体的に示しています。また、報告を読んで、日本では果物の摂取量を増やし、食塩の摂取量を減らすと、かなり有効なガン予防対策となると思いました。(tnk)

 忘年会の季節ですね。二日酔いになったときのために忘年会の前には柿を準備しておきましょう。個人的にはシャーベットがお薦めです(KT)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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