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第165回 リポ・フル閑談:
   運動中の栄養補給や疲労回復には果物

  
 

□□■ 果物&健康NEWS Vol.165 ■□□
   ■   2007年9月14日(金)  ■


みなさん、こんにちは!
特集は「リポ・フル閑談:運動中の栄養補給や疲労回復には果物」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

◇ くだもの健康豆知識:百寿者の好きな食べ物
◇ 今週のレシピ:クリ
◇ リポ・フル閑談:運動中の栄養補給や疲労回復には果物
◇ 品種紹介:クリ「石鎚」
◇ 果物の小話:モモの雑学1
◇ 文献紹介:内臓脂肪の指標として有効なタンパク質の発見
◇ 文学の中の果物:坊ちゃん(夏目漱石)
◇ 子ども農山漁村交流プロジェクト
◇ 「食事バランスガイド」の活用・実践をめざして
◇ 今日のフォト
◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:百寿者の好きな食べ物

 「百寿者」とは、「百才長寿者」を縮め、99才の「白寿」ともかけた造語で、沖縄の長寿の研究を行っている鈴木信先生が考案した言葉です。その「百寿者」の好きな食べ物の調査によると、果物は第1位で18.5%の人が好きだと回答してます。第2位は魚で12.3%、ついで、甘いもの、刺身、寿司と続きます。

 この結果から「果物が好きな人は長生き」とは言えませんが、興味深いデータです。

 現在、わが国は世界一の長寿国ですが、明治24-31年の平均寿命は、男性が42.8歳、女性は44.3歳でした。昭和になっても第2次世界大戦後までは50歳に届かず、50歳を越えたのは昭和22年のことでした。


   ■ 敬老の日(9月17日) 美味しい果物を贈ろう!


□ 今週のレシピ:クリ

○ 栗と小エビのマヨネーズあえ

材料 (4人分)
 クリ 10個、小えび 100g、マヨネーズソース 少々、塩 少々、コショウ 少々、パセリ 少々

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/mikaku/rckrmayo.html

○ 栗と鶏肉のうま煮

材料(6人分)
 クリ 400g、鶏肉 250g、れんこん 150g、ギンナン 8個、油 大さじ2杯、砂糖 大さじ4杯、酒 大さじ2杯、しょうゆ 大さじ3杯

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/mikaku/rckrumani.html




□ リポ・フル閑談:運動中の栄養補給や疲労回復には果物

【リポさん】
 皆さん、こんにちは。リポーターのリポでーす。
 今日は、果物&健康NEWSのフルッタさんに「運動中の栄養補給や疲労回復には果物」についてお聞きしたいと思います。
 よろしく願いします。
【フルッタさん】
 秋は運動会のシーズンです。運動する時に、エネルギーを最大限に使うためには、普段からバランスの良い食事をすることが大切です。
 炭水化物はグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられ、タンパク質は筋肉と組織を作る大切な働きがあります。
【リポさん】
 運動会の朝には、何を食べれば良いのですか。
【フルッタさん】
 運動会の朝などには、ご飯や果物など炭水化物の豊富な食品を中心に摂取して、脂肪の多い食品は少しにします。
 何故なら、炭水化物は、エネルギーとして運動時に最も効率よく利用される栄養成分だからです。
 一方、脂肪はかなり痩せた人でも体内脂肪を十分に蓄えているので少しでかまいません。
【リポさん】
 そうなんだ。
【フルッタさん】
 運動にはエネルギーが必要です。そのため、運動中は筋肉などに蓄えられたグリコーゲンを分解してエネルギーに変換します。しかし、血糖値が上昇するとインスリンが多く分泌され、グリコーゲンの分解が抑制されてしまいます。
 従って、運動中は、筋肉に含まれているグリコーゲンを分解して効率よくエネルギーを得るために、血糖値を上げずにインスリンの分泌を抑える食品の摂取が必要です。
【リポさん】
 マラソンの途中で食べるとしたら何が良いんですか。
【フルッタさん】
 持久力を必要とするマラソンなどの運動中の栄養補給には、血糖値を上げずに炭水化物を摂取するのが効果的です。
 食品の血糖上昇作用を数値化した最新の科学データによると、食物繊維を多く含む食品が血糖値の上昇を抑制することが分かりました。
 例えば、フランスパンや精白パン、餅などは血糖値を上げやすい食品ですが、果物などは血糖値を上げにくい食品です。
【リポさん】
 ということは、果物がいいと言うことですね。
【フルッタさん】
 その通りです。マラソンなどの運動中には、食物繊維が多く血糖値を上げずに、エネルギー源となる炭水化物の多い果物の摂取が有効です。
【リポさん】
 競技が終わったらどうすればいいのですか。
【フルッタさん】
 運動をすると汗をかくため、失われた水分や養分を補給する必要があります。特に、水分と果糖などの炭水化物を補給すると筋肉で失われたグリコーゲンを補えるので疲労を取り除くことが出来ます。
 従って、競技が終わったら、水分や果糖などの炭水化物を多く含む果物を食べたり、フルーツ・ドリンクなどを飲むと効果的です。
 今の時期なら、ナシやブドウ、リンゴ、バナナ、ミカンなどが良いと思います。
【リポさん】
 楽しい運動会で、持っている力を十分に引き出すためには、果物を食べると良いと言うことですね。ありがとうございました。

 皆さん、運動会の朝は、果物を忘れず食べて、運動会の会場へ果物を持って行くことを忘れないようにしましょうね。




□ 品種紹介:クリ「石鎚」

 「石鎚(いしづち)」は、「岸根(がんね)」と「笠原早生(かさはらわせ)」を交配して出来た晩生の多収性品種で、クリタマバチに抵抗性です。果実は扁円で25g前後と大果です。果肉は淡黄白色を呈し、肉質は粉質で果実品質が優れています。品種名はクリの産地である愛媛県の石鎚山にちなんで名付けられました。

「石鎚」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-ishizuchi.html





□ 果物の小話:モモの雑学1

 今回は、モモを取り上げます。
 モモは、その学名Prunus persica (L.) Batsch のpersicaから推察できるように、ヨーロッパでは19世紀末まで、モモの原生地をペルシアと考えていました。今では、中国の黄河上流の陜西省、甘粛省にまたがる高原地帯が原生地とされていますが、中国西南部の奥地やヒマラヤを含めた広い地域を想定している人もいます。このように、ある時の誤解から、誤った学名が付けられた例は結構あります。

 毛のある中国原生の野生モモ(有毛モモ)から、環境の異なる地域に伝播する間に果皮に毛のない無毛モモ(油桃)、黄肉桃、蟠桃、寿星桃、水蜜桃など、様々な変種が生まれました。なお、油桃や黄肉桃は、6〜7世紀頃トルキスタン地方で生じたとされています。

 現在、有毛モモをモモといい、無毛モモをネクタリンと区別しています。ただ、植物学的には同じものです。モモとネクタリンを交雑するとFI(子供)はモモとなり、F2(孫)ではモモとネクタリンが出現します。即ち、有毛は優性、無毛は劣性です。

 蟠桃とは聞き慣れない言葉と思う人もいるかも知れませんが、時々果物店で見かけることがあります。『西遊記』に孫悟空が天宮の玉帝に命じられて蟠桃園の管理をしている際に、蟠桃を盗み食べた話が記されています。蟠桃は扁平なモモで、現代人の私達にとっても結構美味しいモモです。孫悟空の太古に思いを馳せて、蟠桃を食べてみて下さい。力が湧くかも知れません。(間苧谷)




□ 文献紹介:内臓脂肪の指標として有効なタンパク質の発見

 内臓脂肪の増大は、心疾患や2型糖尿病のリスクを高めることが知られています。アメリカの研究チームが血液中のタンパク質と内臓脂肪との関係を調査した結果、血液中のレチノール結合タンパク質(RBP4)が内臓脂の指標として有効であることが分かりました。

 研究では196人を対象に調査した結果、RBP4は皮下脂肪よりも内臓脂肪で多く生成されていました。また、肥満の人は標準体重の人に比べ血液中のRPB4が2〜3倍多いことも分かりました。そして、血液中のRBP4の量と内臓脂肪の量との間に相関が認められたことから、RBP4は内臓脂肪型肥満と関係してると考えられました。

 以上のことから、RBP4が内臓脂肪の指標として有効であると研究者らは考えています。

【文献】
Kloting, N. et al: Serum retinol-binding protein is more highly expressed in visceral than in subcutaneous adipose tissue and is a marker of intra-abdominal fat mass. Cell Metab., 6: 79-87. (2007)




□ 文学の中の果物:坊ちゃん(夏目漱石)

 庭を東へ二十歩に行き尽すと、南上がりにいささかばかりの菜園があって、真中(まんなか)に栗の木が一本立っている。これは命より大事な栗だ。実の熟する時分は起き抜けに背戸(せど)を出て落ちた奴を拾ってきて、学校で食う。菜園の西側が山城屋という質屋の庭続きで、この質屋に勘太郎という十三四の倅(せがれ)が居た。勘太郎は無論弱虫である。弱虫の癖に四つ目垣を乗りこえて、栗を盗みにくる。ある日の夕方折戸(おりど)の蔭に隠れて、とうとう勘太郎を捕まえてやった。その時勘太郎は逃げ路(みち)を失って、一生懸命に飛びかかってきた。向うは二つばかり年上である。弱虫だが力は強い。



夏目漱石
(なつめ そうせき、1867年(慶応3年)2月9日-1916年(大正5年)12月9日)
 江戸牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)生まれ、本名は夏目金之助。大学時代に正岡子規と出会い俳句を学ぶ。俳号は愚陀仏。代表作に「吾輩は猫である」、「こころ」などがある。



□ 子ども農山漁村交流プロジェクト
  〜120万人・自然の中での体験活動の推進〜


 総務省、文部科学省、農林水産省の連携による「都市と農山漁村の共生・対流に関するプロジェクト」が発表されました。

 学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識などを育み、力強い子どもの成長を支える教育活動として、小学校における農山漁村での長期宿泊体験活動を推進します。

 全国2万3千校(1学年120万人)で体験活動を行うことを目指し、今後5年間で、@農山漁村における宿泊体験の受入体制を整備、A地域の活力をサポートするための全国推進協議会の整備等を進めます。

詳細は下記のサイトにあります。
http://www.maff.go.jp/j/press/nousin/nouson/
pdf/070831_1a.pdf





□ 「食事バランスガイド」の活用・実践をめざして

 農林水産省では、外食・小売業等店舗で「食事バランスガイド」を活用したモデル的取組を行います。「食事バランスガイド」を実践につなげるため、体験活動などの消費者参加型の取組を推進します。また、今年度は新たに百貨店部門、農産物直売所部門、地域で連携して取り組む地域連携部門を加え、内容を充実しました。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070827press_1.html




□ 今日のフォト

 クリが果物売り場に並ぶ季節となりました。クリの実は、収穫直前までイガの中にあり、果実が成熟するとイガが割れて実が落ちます。イガを含む全体をきゅう果といい、果実は果皮(鬼皮)、(渋皮)、果肉(子葉)からなります。写真は「岸根」です。

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News14.html
(掲載は次号まで)




☆ 編集部より ☆

 運動会には果物を忘れずに持って行きましょう。ナシやリンゴ、ミカンなどが定番ですが、冷凍したブドウもなかなか美味しいです。(tnk


 栗、柿も出始め果物の種類も充実してきました。我が家では今年はブドウの消費量が増え、毎日梨&ブドウ三昧です。(sk)


 先日、名古屋市内をジョギングしていたら、庭でイチジクを栽培しているお宅を発見しました。赤く熟れたイチジクがとてもうらやましかったです(uru)。




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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