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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第151回 果物1個を握り拳に喩えるなら

  
 

□□■ 果物&健康NEWS Vol.151 ■□□
   ■   2007年5月18日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
特集は「果物1個を握り拳に喩えるなら」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:スイカ
 ◇ 今週のレシピ:スイカ
 ◇ 果物1個を握り拳に喩えるなら
 ◇ 品種紹介:スイカ「姫しずか」
 ◇ 文献紹介:ビタミンCは胃ガンのリスクを下げる
 ◇ 文献紹介:果物と野菜の摂取は冠動脈性心臓病のリスクを下げる
 ◇ 読者から:有機農産物について
 ◇ 読者から:果物はおやつと一緒にしないで
 ◇ 読者から:カナダ糖尿病協会の食事指導について
 ◇ 読者から:種なしについてもっと知りたい
 ◇ 果物の歌:すいかの名産地
 ◇ 平成17年度食料需給表
 ◇ 今日のフォト
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:スイカ

 スイカの原生地は、アフリカ南部のカラハリ砂漠を中心とする地域と推定されています。エジプトの壁画から、約4000年前にはすでにスイカの栽培が行われていたと思われます。当時は種子を炒って食べていたようです。

 中国には11世紀頃、日本には16世紀末から17世紀初頭に中国や南方から渡来したと考えられています。

 品種は「縞王(しまおう)」系、「富士光(ふじひかり)」系、「甘泉(かんせん)」系、「紅こだま」などです。

 スイカの主な生産地は熊本県、千葉県、山形県、新潟県、愛知県、
茨城県などです。




□ 今週のレシピ:スイカ

○ スイカのショート・ケーキ
 スイカとスポンジ、クリームの意外な組み合わせです。

材料
 スイカ 中1/4個くらい、スポンジ生地(角型21cm位のもの) 1台、クリームなど。

作り方(ムービーでも見られます)と出来上がりの写真は下記のサ
イトです。
http://www.live-kitchen.jp/recipe/00000058/

○ スイカとパイナップルのフレッシュフルーツカクテル
 これから旬のスイカを使ったフレッシュなカクテルです。

材料
 スイカ1/8カット、ゴールデンパイナップル 1/8カットなど。

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://recipe.gnavi.co.jp/recipe/2828.html

○ スイカあんみつ

材料(4人分)
 スイカ 好み、あずき缶詰め 1/2缶、白玉団子など

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.ja-fukuikeiz.or.jp/tokusan/recipe/suika_1.html

○ スイカとフェタチーズのサラダ
 キャッチフレーズは「超簡単!キレイ!目新しい!」

材料(2人分)
スイカ 小玉1/4個、フェタチーズ 100gなど。

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/mykitchen/recipe/355292/




□ 果物1個を握り拳に喩えるなら

 糖尿病の予防や治療のためには、何をどれくらい食べるかが重要ですが、何か特別な食事摂取法や特別な糖尿病食がある分けではありません。そこで、カナダ糖尿病協会が、バランスのよい食生活のための秘訣を公開していますので紹介します。

 人には、それぞれ異なったライフスタイルがあることから、全く別な新しい食事摂取法を指示されても受け入れられません。そのため、それぞれの食習慣に基づいた食生活の改善が必要となります。人それぞれのライフスタイルに適した、かつ、味覚にも合致した食事摂取プランが選択されなければ長続きしません。

 個人個人に適した糖尿病予防や治療のための食事摂取プランを作成するにあたって、いくつかの基本的な考え方を理解しておく必要があります。その項目は以下の通りです。

・食物繊維が豊富な食品は、満腹感を感じさせてくれるだけでなく、血糖値やコレステロール値を下げてくれるでしょう。

・常にテーブルの上に果物の入った果物かごを置いておきましょう。そして、1日あたり3〜5サービングの摂取目標を達成しましょう。

・スナックを食べたい衝動がおきたときのために生野菜を準備しておくとよいでしょう。

・飲み物は、水かダイエット・ドリンクがよいでしょう。

・決まった時間に食べることは血糖値のコントロールに役立ちます。

・健康的な体重を維持することは血糖値のコントロールや心臓病予防に効果的です。

・定期的な運動は血糖値を改善できるでしょう。

・砂糖の摂取量が多いと血糖は上昇します。

・糖尿病予防や治療のための完璧で特別な食事摂取法というものはないということも知っておきましょう。

 カナダなどでは、1回の食事に1枚のプレート(皿)を用意して、その上に料理が並べられることが多いようです。そこで、カナダ糖尿病協会では、バランスのよい食事を摂取するために、プレートを使って次のような方法を提示しています。

・プレートの4分の1は、でんぷん食品にします。全粒粉のパン、コメ、パスタ、ヌードル、ジャガイモなどを選んでください。

・プレートの4分の1は、タンパク質を摂取するための領域です。 魚、脂肪のない肉、低脂肪チーズ、卵などのほか、ベジタリアン用には豆やレンズ豆などを選択します。

・プレートの半分は、少なくとも2種類の異なった野菜が並べられていることが必要です。

・プレートの脇には1個の果物と1杯の低脂肪のミルクが必要です。

 また、バランスのよい献立を作るためのヒントも提案しています。そのヒントとは、手を使うやり方です。手はいつも同じサイズで、何時でも見ることができるので、手は適切な献立を立てるためのガイドとして非常に役立ちます。

 上記の献立を手で現すと、でんぷん食品は握り拳で2個分です。タンパク質のためには手のひらのサイズで厚さは小指の先位を選びます。果物は握り拳1個、野菜は広げた手を2つ分です。脂肪は多くても親指の先までです。低脂肪のミルクは250mL(8オンス)です。

 最後に、果物についてまとめると毎日握り拳3個から5個です。




□ 品種紹介:スイカ「姫しずか」

 「姫しずか」の果実は、小玉スイカとしてはやや大きく、果形は球形で、果皮色は緑、鮮明な条斑が入り外観が優れています。果皮は薄く、果肉は赤色、緻密で硬く、果肉が崩れにくいため、日持ち性が高いのが特徴です。糖度は「紅こだま」と同程度で11%前後です。収穫直後の果肉は硬いのですが、室温で3-10日保存すると果肉硬度が減少し、シャリシャリ感が向上します。

「姫しずか」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.affrc.go.jp/ja/db/seika/data_nivot/
h12/nivot00004-4.jpg


育成経過等は下記のサイトに掲載されています。
http://www.affrc.go.jp/ja/db/seika/data_nivot/
h12/nivot00004.html





□ 文献紹介:ビタミンCは胃ガンのリスクを下げる

 血液中のビタミンC含量が多いと胃ガンのリスクが低くなるとヨーロッパの研究グループが発表しました。

 今まで行われた多くの症例対照研究では、食事からビタミンCを多く摂取していると胃ガンのリスク下がると報告されていますが、前向きコホート研究の結果からはビタミンCの胃ガンに対する効果は限定的でした。

 そこで、ビタミンCと胃ガンとの関係を明らかにするために、ヨーロッパ10ヵ国が参加した研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC))が行われました。

 その結果、ビタミンCの食事からの摂取量と胃ガンとの関係は観測されませんでしたが、血液中のビタミンC含量が多いと胃ガンのリスクが下がることが明かとなりました。血液中のビタミンC含量が最も高い群は、最も低い群と比べて胃ガンのリスクが45%低いことが分かりました。また、発ガン物質であるニトロソ化合物を増加する可能性がある赤肉と加工肉の摂取量が多い人ほどビタミンCの効果は顕著でした。

 以上の結果から、ビタミンCは、赤肉や加工肉の摂取で増加する可能性があるニトロソ化合物の作用を打ち消す働きなどを通じて胃ガンの予防に効果があるのではないかと研究者らは推測しています。

【文献】
Jenab, M. et al.: Plasma and dietary vitamin C levels and risk of gastric cancer in the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC-EURGAST). Carcinogenesis 27: 2250-2257. (2006)




□ 文献紹介:果物と野菜の摂取は冠動脈性心臓病のリスクを下げる

 フランスの研究グループは、男性約9万人と女性約12万人を対象に、果物と野菜の摂取と冠動脈性心臓病との関連について調査を行いました。

 果物と野菜の摂取量について6つの報告をメタ分析した結果、果物と野菜の摂取量を1単位増やせば冠動脈性心臓病のリスクが4%(P=0.0027)減少することが分かりました。果物では7つの報告をメタ分析した結果、果物の摂取量を1単位増やすせば7%(P<0.0001)減少すること、野菜では8つの報告のメタ分析の結果から11%減少することが分かりました。

 以上の結果から、果物と野菜の摂取は冠動脈性心臓病のリスクを下げる働きがあるとしています。

【文献】
Dauchet, L. et al.: Fruit and Vegetable Consumption and Risk of Coronary Heart Disease: A Meta-Analysis of Cohort Studies. J. Nutr. 136: 2588-2593. (2006)




□ 読者から:有機農産物について

 いつも大変楽しく拝見させていただいています。とても役に立ってます。

 食材販売にかかわる仕事をしている者ですが、今度、有機認証の果物を取り扱うことになりました。

 そこで質問があるのですが、国産の有機農産物の中でも、果物の割合というのはどのくらいあるのでしょうか?農産物出荷全体としては、有機認証のシェアは約0.15%くらい(最近はもっと上がっているのか?)、特別栽培で約5%ぐらい、慣行栽培が95%というのはどこかで聞いたことがあるのですが…。有機の果物となるともっと希少な気がします(輸入ものが多い?)。

 農水省のHPを開いても、どこを調べれば出てくるのかわかりません(勉強不足ですみません)。「果物&健康NEWS」で扱う範囲ではないのかもしれませんが…。なにとぞよろしくお願いいたします。(神奈川県:らすかる)

【編集部より】
平成17年度認定事業者に係る格付実績(果樹)では、
  国内で格付されたもの: 2,222t
  外国で格付されたもの:67,512t

国内総生産量と格付数量(国内)の割合は、
  総生産量:3,708,000t
  格付数量:  2,222t
  有機の割合: 0.06%
となっています。
 
 この有機農産物に関するデータは、農林水産省HPから→食品表示とJAS規格(右側)→有機JAS(左側)→平成17年度有機農産物等格付実績で確認できます。下記のサイトにデータが掲載されています。
http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/new_jas/
h17nintei_kakutuke.pdf


食品表示とJAS規格のトップサイトは下記です。
http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/jasindex.htm




□ 読者から:果物はおやつと一緒にしないで

 いつもナルホドなるほどと読まさせていただいています。以前投稿した家族みんなが朝食に果物だけにしているモノです。

 果物をスナックやおやつ、デザートの一アイテムと捉えている方、まだまだほとんどの方がそうなのかな、と思いました。世の中には、フルタリアンもいるというのに、まさかスナックタリアン、アイスタリアンなどがいるわけないのに、そうそうマヨラーという人種がいましたね。

 果物の働き、必要性、素晴らしさを大多数のひとに普及させるのはコペルニクス的楽しみがありますね。頑張ってください。

 当方、販促の仕事を長いことやっています、果物の普及活動をお手伝いしたいと思っています。余談になりましたが。とにかくこれからのメールも楽しみにしています。(K)




□ 読者から:カナダ糖尿病協会の食事指導について

 カナダ糖尿病協会のホームページに日本語サイトが無いので、詳しく知りたいと思っても、読めません。日本語しか出来ないほとんどの日本人のために、もっと詳しく紹介していただければ幸いです。また、日本の糖尿病患者への食事指導はどの様になっているか教えてください。

【編集部より】
 カナダの食事指導については今回も取り上げましたが、今後も継続して掲載していく予定です。

 日本糖尿病学会では、糖尿病治療のために「食品交換表」を用いた食事摂取法を公表しています。この食品交換表は出版されており購入できます。

日本糖尿病学会編「糖尿病食事療法のための食品交換表 第6版」(文光堂,900円+税)

 「果物&健康NEWS」は、食生活の改善を通じて生活習慣病予防を中心に情報を発信しています。治療については信頼できる医師等にご相談下さい。




□ 読者から:種なしについてもっと知りたい

 果物に種が入らない仕組みをもっと詳しく知りたいのですが。

【編集部より】
 機会を見つけて「種なし」について特集したいと思います。




□ 果物の歌:すいかの名産地

 高田三九三訳詞の「すいかの名産地」は、季節になると果物売り場でよく聞かれます。「男はつらいよ」(山田洋次監督、主演渥美清、マドンナ光本幸子:1969年)の第一話でさくらと博の結婚式でも歌われました。

 歌詞と演奏は下記のサイトです。クリックすると演奏が始まりますので、演奏がじゃまな人は消音してからクリックしてください。
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/
suikanomeisanchi.html


「スイカの名産地」の原曲は「Old MacDonald」のようです。アメリカ・NIHのサイトで歌詞と演奏を聞くことが出来ます。
http://www.niehs.nih.gov/kids/lyrics/mcdonald.htm




□ 平成17年度食料需給表

 食料需給表の平成17年度版が公表されました(2007.4.9)。農林水産省ホームページ内「食料自給率の部屋」の下記サイトで公開しています。

 食料需給表は、我が国で供給される食料の生産から最終消費に至るまでの総量を明らかしたもので、食料自給率の算出にも用いられています。

http://www.kanbou.maff.go.jp/www/fbs/fbs-top.htm

上記サイトから以下のPDFファイルをダウンロードできます。
1. 平成17年度 食料需給表の概要
2. 国民1人・1年当たり供給純食料及び国内生産量の前年度比較
3. 国民1人・1日当たり供給熱量及び栄養量の前年度比較
4. 国民1人・1年当たり供給純食料の推移
5. 国民1人・1日当たり供給熱量及びPFC熱量比率の推移
6. 食料自給率の推移
7. 飼料需給表
8. 食料需給表(平成17年度・概算値)
9. 食料需給表(平成16年度・確定値)

 ちなみに、果実の自給率は、
 果実(全体):41%、みかん:103%、りんご:52%
 1人1日当たりの供給量:118.0g
 となっています。




□ 今日のフォト

この写真を眺めると、モモの樹に白い花が咲いているように見えますが、花ではありません。新しい品種を作るための交配袋です。

 モモの花は3月に咲きますが、まだつぼみのうちに目的の花粉を交配し、ほかの花粉がかからないように交配袋を被せます。こうして実がなるのを待ち、実がなったら種を取り、畑にまきます。

 こうした交配袋を掛けた光景は果樹研究所以外ではあまり見られません。
(2007/5/18 掲載は次号まで)

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News2.html




■ 「果物&健康NEWS」登録依頼パンフレット

 「果物&健康NEWS」登録依頼パンフレット(PDFファイル)は下記のサイトにあります。メルマガの講読を、お勧めいただければ幸いです。
 http://www.kudamononet.com/kkr/index.html



☆ 編集部より ☆

 暑かったり、寒かったりで風邪などが流行っているようです。果物はお薬のように即効性はありませんが、美味しいので気持ちが元気になります。ご自愛下さい。(tnk)

 先日、近所のスーパーでおいしそうなグレープフルーツだと思ってよく見たら、なんと黄色い皮のキンショウメロンでした。調べてみると白いマクワウリ系のしらゆき、そしてパパイヤに外見が似たパパイヤメロンなど、多くの種類が出まわっているようです。

 また、メロンといえば、札幌市中央卸売市場で15日朝、夕張メロンの初競りが行われ、史上最高値の2玉200万円で競り落とされたそうです。買ったのは札幌市の百貨店「丸井今井」で、2玉のうち、1玉はすでに予約済みだそうです。どんな人が購入したのか、だいたいの想像はできます。(AA)


 名古屋は美味しい食べ物がたくさんあります。きしめん、みそカツ、手羽先、みそ煮込みうどんにひつまぶし!食いしん坊の私は、ひととおり食べ尽くしました。ただ、今の時期は国産の果物が少なくて寂しいですね!(uru) 


 沖縄のパインを食べたことはありますか?手でちぎって食べられるボゴールパイン(スナックパイン)やソフトタッチ(ピーチパイン)はお勧めです。沖縄以外ではなかなか購入する機会はないと思いますが、店頭で見た際には是非購入してみてください!(sk)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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