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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第142回
 「毎日くだもの200グラム」の科学的根拠2007

  
 

□□■ 果物&健康NEWS Vol.142 ■□□
   ■   2007年3月14日(水)   ■


みなさん、こんにちは!
特集は「『毎日くだもの200グラム』の科学的根拠2007」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ 中晩柑のかけ合わせ一覧
 ◇ 今週のレシピ:キウイフルーツ
 ◇ 「毎日くだもの200グラム」の科学的根拠2007
 ◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする(第49回)
 ◇ 文献紹介:ビタミンCで白内障発症リスクが下がる
 ◇ 食育の「標語」募集中
 ◇ 読者から
 ◇ 果物花便り:筑波山梅林
 ◇ 西洋なし、かき、くりの収穫量・出荷量(H18)
 ◇ お知恵を拝借
 ◇ 編集部より



□ 中晩柑のかけ合わせ一覧

 読者から:カンキツ中晩柑のかけ合わせの一覧はありますか。

【編集部より】
 メールありがとうございました。中晩柑の新しい品種のほとんどは農研機構果樹研究所で育成されました。「清見」は、「宮川早生」と「トロビタオレンジ」、「不知火(デコポン)」は、「清見」と「中野3号ポンカン」の交雑から生まれました。

 果樹研究所が育成した中晩柑品種の交雑組み合わせは下記のサイトに掲載されています。一番左から2つめのカラムが品種名で、右から2つめのカラムが交雑組み合わせです。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/046ikuseihinsyu.html#kankitsu03-k9





□ 今週のレシピ:キウイフルーツ

 駒沢女子短期大学食物栄養科西山ゼミでは、キウイフルーツジャムの試作を続け、これまでに蓄積されたデータをもとに、各種キウイフルーツジャムのレシピを公開しています。

○ キウイフルーツ&りんごジャム
 これがなかなかおいしくて、また、薄緑色の上品なジャムに仕上がるそうです。

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www1.ttv.ne.jp/~kiwi/jam_04.html

○ キウイフルーツ&オレンジジャム
 キウイフルーツだけのジャムよりも風味がアップするとのことです。

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www1.ttv.ne.jp/~kiwi/jam_03.html

○ キウイフルーツ&ブルーベリージャム

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www1.ttv.ne.jp/~kiwi/jam_02.html

○ キウイフルーツジャム

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www1.ttv.ne.jp/~kiwi/jam_01.html




□ 「毎日くだもの200グラム」の科学的根拠2007

 「毎日くだもの200グラム」運動が推進されていますが、その科学的根拠について紹介します。

 アメリカで、1991年に始められたガン予防のための「5 A DAY(1日果物と野菜を5サービング摂取)」運動は大きな成功を収めています。ガンの死亡率は、運動初期に減少に転じましたが、死亡者総数は高齢化および人口増加により増え続けていました。しかし、2003年には死亡者総数が初めて減少し、2004年には減少幅がさらに拡大しました。

 ガン以外の生活習慣病予防のために作成された食生活指針も、科学的データの蓄積に伴って見直しが行われ、果物の摂取が推奨されています。そのため、「毎日くだもの200グラム」で推奨する量も、2006年から摂取正味量になりました。
 
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アメリカで使われている1サービングとは、オレンジや中くらいの
リンゴなら1個、バナナなら1本、果物ジュースなら3/4カップ
(約180ml)です。
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○ガン予防:5 A DAYプログラム

 アメリカ農務省(USDA)、国立ガン研究所(NCI)、民間団体等により設立された健康増進基金(PBH)が推進している運動で、果物と野菜を1日5〜9サービング摂取することを推奨しています(参照:果物&健康NEWS第100回)。

○高血圧予防:DASH摂取プラン

 アメリカ保健社会福祉省(DHHS)、アメリカ国立衛生研究所(NIH)、アメリカ国立心臓・肺・血液協会(NHLBI)は合同して、高血圧予防のための食事摂取の指針であるDASH摂取プランを公表しています(参照:果物&健康NEWS第17回)。
 このDASH摂取プランでは、果物を1日当たり320kcal〜400kcalの摂取が推奨されています。この量はミカンなら8〜10個、リンゴなら4個程度となります。

○脳卒中予防:脳卒中予防と治療のためのガイドライン

 アメリカ心臓病協会(AHA)や脳卒中協会(ASA)などによる脳卒中予防と治療のためのガイドラインにおける食事摂取指針の内容は、基本的に前述のDASH摂取プランと同じです(参照:果物&健康NEWS第104回)。

○糖尿病食:アメリカ・糖尿病患者のためのフードガイドピラミッド

 アメリカ糖尿病協会は、糖尿病患者のためのフードガイドピラミッドを公表しています(参照:果物&健康NEWS第51回)。果物の推奨摂取量は1日当たりの2〜4サービングです。

○ダイエット:メイヨ・クリニック健康ピラミッド

 アメリカ、メイヨ・クリニックのダイエットのための健康ピラミッドでは、果物の摂取量に制限がありません(参照:果物&健康NEWS第139回)。このプログラムでは、果物を毎日少なくとも3サービング以上摂取し、健康的にゆっくりと体重を減らすことを目標としています。

○食生活改善:フードガイドピラミッド

 アメリカ保健福祉省(HHS)と農務省(USDA)は共同して「アメリカ人のための食生活指針2005」を作成しています(参照:果物&健康NEWS第45回)。この新食生活指針では、果物を1日2カップ(4サービング)食べることを勧めています。
 このプログラムで新しくカップという単位が導入されました。1カップは2サービングと同じ量です。

○食生活改善:子供のための食事摂取基準

 アメリカ心臓病協会は、アメリカ小児科学会の承認を得て子供のための食事摂取基準を公表しています(参照:果物&健康NEWS第79回)。
 果物の摂取量は1歳では1カップ、2〜3歳では1カップ、4〜8歳では1.5カップを推奨しています。

○食生活改善:食事バランスガイド

 食事バランスガイドは、食事の望ましい組合せやおおよその量をわかりやすくイラストで示したもので平成17年に厚生労働省と農林水産省が共同して発表しました(参照:果物&健康NEWS第61回)。果物の主材料の重量がおおよそ100gなので、この量を「1つ(SV)」に設定しています。

 1日の適量は、子供とほとんどの女性、身体活動量の低い(高齢者を含む)男性は2つ(SV)です。この量は、ミカンなら2個、リンゴなら1個、カキなら2個、ナシなら1個、ブドウなら1房、モモなら2個です。また、12歳以上のほとんどの男性は3つ(SV)です。




□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
  第49回 家庭で楽しむブルーベリー栽培17 繁殖その6


4.取り木、株分け法
果樹では苗木を多量に殖やすには、先に述べたような挿し木法や接ぎ木による方法が一般的な方法ですが、少量の苗木を殖やすには取り木や株分け等の方法もあります。そこで今回は取り木と株分けについてお話しします。

1)取り木法
 取り木法でよく知られているのは観賞用のインドゴムの木の取り木などでしょう。取り木の方法は、鉢植えや地植えの親木を用いて枝の一部を土や水苔などで覆いをしておき、発根した後親木から切り離して苗木を養成する方法です。ブルーベリーでもこの様な方法で取り木することができます。

[方法]
(1)普通法

 地植えの場合で枝を地中に埋める方法です。地際に枝を曲げ、枝先を15〜30cm残し土で覆う「普通法」があります。このとき地下となる枝の部分に切り傷を入れたり、樹皮を環状に剥皮したり、また発根促進剤(市販品ではルートンなどがあります)処理をして発根を促進します。この方法を用いて1本の親木から樹冠の廻に数本取り木することができます。

(2)高取り法
 樹上枝の一部に水苔などを巻いて発根を促す方法を「高取り法あるいは空中取り木法」といいます。具体的には、高取りをする枝で、根となる部分の枝の一部に切り傷を入れたり、樹皮を環状に剥皮したり、発根促進剤(市販品ではルートンなどがあります)処理など発根処理をしたあと、この部分に水苔を巻き付けるか、土で覆います。

 処理した部分は、土の場合も水苔の場合も乾燥させないことが大切です。水苔はビニール等で被覆しておき乾燥させないよう必要に応じて水やりをします。八重桜成木の5年生枝の「高取り法」では2年以上かかって発根し取り木した体験があります。この様に短期で発根しない場合でも時間をかければ発根の可能性はあります。

(3)その他の方法
 取り木の方法にはこの他、株元に土を盛り上げて発根させる方法「盛り土法」等があります。

[取り木の時期]
 取り木を行う時期としては春の頃が良いでしょう。取り木した部分の発根を確認し、秋頃に親木から切り取り、鉢などに植えて養成します。

2)株分け法
 株分けは、宿根草や花木、観葉植物などで一般的に利用されています。例えば、イチゴのランナーの節から出る新個体を苗とすることや、ランなどで株が大きくなり2,3株に分けることなどです。

 ブルーベリーでも大きくなった株を分割する方法もありますが、株元から出るひこばえ(サッカー)を利用する株分けが一般的です。




□ 文献紹介:ビタミンCで白内障の発症リスクが下がる

 白内障は、加齢に伴って水晶体中のタンパク質が酸化されることによっておきると考えられていますが、食事からビタミンCを沢山摂取している人は、老人性白内障になりにくいと、杏林大学医学部などのJPHC研究グループが発表しました。

 1995年に45-64歳だった男性16,415人と女性18,771人を対象に調査を行った結果、1日あたりビタミンCの摂取量が最も多い男性のグループ(211mg/日)は、最も少ないグループ(52mg/日)と比べて、白内障発症のリスクが35%、手術を受けるに至るリスクが30%低いことが分かりました。女性では摂取量が最も多いグループ(258mg/日)は、最も少ないグループ(75mg/日)に比べ、発症リスクが41%、手術のリスクが36%低くなりました。

【文献】
Yoshida, M. et al.: Prospective study showing that dietary vitamin C reduced the risk of age-related cataracts in a middle-aged Japanese population. Eur. J. Nutr. 46: 118-124 (2007) [doi: 10.1007/s00394-006-0641-8]




□ 読者から

 こんにちは。いつもメールを楽しく読んでます。私は昔から果物が好きですが、特に今改めてアップルホリックになってます。

 私は今アメリカにいますが、ちょっと小腹が空いたときに(特に午前中)はりんごを食べてます。大きさがちょうどいいんです。日本のりんごは最近大きいものが多いですよね。でもアメリカでは小ぶりのりんごが多いので、しかもちょっとしたブレイクに皮ごとかじっている人が多々います。おやつがわりに果物を食べれるってすごく素敵だと思います。もちろん日本でも食べれますが、皮ごと丸かじりしている人はあまりみかけないので。。。ちょっと勇気がいりますね。

 ところで質問なのですが、最近果物と他のもの(炭水化物やたんぱく質)を同時に取ると太りやすいという本を何冊か読みました。この本によると果物と他のものは同時に消化しずらいとかなんとか。すっごく気になるのですが、どうなんでしょうか?もし果物&健康NEWSで取り上げてもらえたらと思います。

 それではまた次回のメルマガを楽しみにしてます!(Y.N.)

【編集部より】
 メールありがとうございました。残念ながら、ご質問のもととなる本についての情報が編集部にはありません。

 太るとは、摂取した食品の量(カロリー)が多いことと、その食品が腸内で消化され吸収されることが同時に起きる場合です。文面から、炭水化物やタンパク質と一緒に果物を食べると消化しづらいとするなら、太るよりやせると考えるのが論理的ですが。

 アメリカには多くの民間ダイエット法が流布していますが、科学的裏付けがない場合が多いことに注意が必要です。




□ 果物花便り:筑波山梅林

 筑波山中腹(標高約250m付近)にある梅林には約30種、3000本の梅の木が植えられています。好天時には展望台から学園都市や富士山、東京の高層ビルが見渡せます。

 期間中は梅茶のサービスがあります。また、毎週日曜日には筑波山ガマの油売り口上や郷土芸能・野点茶会などのイベントが開催されています。開花状況(3月9日現在)は、全体で見頃とのことです。

第34回筑波山 梅まつりのホームページは下記です。
http://www.kanko-tkb.net/hp/ume/

筑波山梅林の様子は下記のサイトで見られます。
http://www.tfcr.jp/action/location_action2.php?view&id=96




□ 食育の「標語」募集中

 食育の標語(テーマ:「食卓の団らん、楽しい食事」、「食生活、栄養バランス」、「食を大切にする気持ち」)を募集しています。
 「食育」を、家庭、学校、地域等を中心に国民的広がりを持つ運動として推進するため、昨年度に引き続き、食育の大切さをわかりやすく簡潔に言い表した標語を全国の児童生徒から広く募集しています。

募集期間:平成19年3月1日〜23日
応募先:内閣府食育推進室

内容、申込み等詳細については下記の内閣府サイトにあります。
http://www8.cao.go.jp/syokuiku/hyogo.html




□ 西洋なし、かき、くりの収穫量・出荷量(H18)

 平成18年産の西洋なし、かき、くりの収穫量及び出荷量が発表されました。調査結果によると、西洋なしの収穫量は2万8,200tで、7月の日照不足により果実の肥大が抑制されたこと等から前年産に比べて4,100t(13%)減少しました。

 かきの収穫量は23万2,700tで、7月の日照不足、8月の高温、少雨により果実の肥大が抑制されたこと等から前年産に比べて5万3,200t(19%)減少しました。

 くりの収穫量は2万3,100tで、台風の影響で前年産の作柄が悪かった四国、九州地域で結きゅう(毬)数が多かったこと等から前年産に比べて1,300t(6%)増加しました。

詳しくは下記のサイトをご覧下さい。
http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/data/
seiyounashi2006/seiyounashi2006.pdf





□ お知恵を拝借

 メルマガの配信数を増やしたい考えています。そのため、講演会や各種イベントなどでパンフレットの配布など、私たちで考えられることを実行してきましたが、思うように登録者数が伸びません(講演会でパンフレットを100部配っても増加数は数件です)。
 読者の皆様で、配信数増の良いアイデアをご存じでしたらお教え下さい。よろしくお願いします。



   「毎日くだもの200グラム運動」のロゴマークを使おう!
   http://www.kudamono200.or.jp/undou/copyright.html


☆ 編集部より ☆

 科学的成果をもとに、果物の摂取を勧める食事摂取基準作りではアメリカが先行しています。我が国でも医学系学会の食事摂取指針などに徐々に取り入れられてきています。このことをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。(tnk)


 先日、娘のお友達がたくさん遊びに来たので、おやつとして「きよみ」を皮を剥かずに出したところ、自分で皮を剥いたことのない子がたくさんいるのに驚きました。娘が皆に手ほどきしているのを見て、密かにニヤニヤした次第です。(uru)


 今週末にネット注文した「はるか」
 http://fruit.naro.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/haruka.html

が届く予定です。ネットでは、近隣のスーパーでは売っていない果物を購入することができるので、皆様も色々と試してみては?(sk)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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