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第121回 キッズQ:食べた種をまいたらどうなるの?

  




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□□■ 果物&健康NEWS Vol.121 ■□□
   ■   2006年9月29日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
特集は「キッズQ:食べた種をまいたらどうなるの?」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:アケビ
 ◇ 今週のレシピ:アケビ
 ◇ キッズQ:食べた種をまいたらどうなるの?
 ◇ 品種紹介:アケビ「紫幸」、「細紫」
 ◇ 「第3回:立ち上がる農山漁村」公募始まる
 ◇ 食料自給率向上に向けた今後の対応
 ◇ 文献紹介:サラダの栄養評価
 ◇ 文学の中の果物:野菊の墓(伊藤左千夫)
 ◇ 子ども霞ヶ関見学デーのビデオ公開
 ◇ とんダネついタネおよいダネ−種子の不思議を科学する
 ◆ メルマガ登録をお待ちしています
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:アケビ

 アケビの原産地は、日本、中国、朝鮮半島で、我が国では本州以南の各地に自生しています。果実は5〜8cmの楕円形で、紫がかった褐色の厚い皮の中に多数の小さな種子を包んだ半透明の白いゼリー状の果肉が塊になって入っています。

 果肉には200g中ビタミンCが130mg、ビタミンB1が0.14mgと多く、また、果皮には200g中食物繊維が6.2g、カリウムが480mgと多く含まれているのが特徴です。果皮にはアントシアニンなどポリフェノールも含まれています。

 果皮を食材として利用している山形県などでは棚を作ってアケビを栽培しています。




□ 今週のレシピ:アケビ

○ アケビの殻っこづけ
 ほろ苦い風味が特徴の大人の味の料理とのことです。

材料
 アケビの殻 5個、みょうが 大2個、シソの実 大さじ5杯、みずの実 大さじ5 杯、人参 少々、塩 適量、めんつゆ 適量、らっきょう酢 適量

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www2.pref.akita.jp/akitafan/cooking/03.html

○ アケビの鶏づめ
 JA全農いばらきの田村シェフの簡単レシピのアケビ料理です。

材料(2人分)
 アケビ 2個、鶏ひき肉 70g、玉ねぎ 1/2個、玉子 1個、みそ 小さじ1杯、塩 少々、こしょう 少々、片栗粉 小さじ1杯
あんかけ:かつおだし汁 100cc、しょうゆ 大さじ1杯、みりん 大さじ1杯、水溶き片栗粉(片栗粉 大さじ1杯、水 大さじ2杯)

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www.ib.zennoh.or.jp/recipi/r0510.html




□ キッズQ:食べた種をまいたらどうなるの?

 美味しい果物を味わうと残った種を育ててみたくなります。そう思ってもいつも捨ててしまう果物の種をまいたらどうなるでしょう?

 うまく育てれば、発芽し、成長し、花や実がなります。ただ、果樹の場合、発芽したその年には実はなりません。桃栗三年柿八年と諺にあるように果実を楽しむには少し時間がかかります。

 もう一つ知っておいてほしい点は、育てた木になった果実は、食べた果物と同じではないことです。リンゴ「ふじ」が美味しかったので、その種をまいても「ふじ」にはなりません。
 
 食べている部分(可食部)の遺伝子は「ふじ」なのですが、種は「ふじ」の子どもとなります。そのため、「ふじ」からの遺伝子は半分で、残りの半分は花粉(父親)の遺伝子です。「ふじ」の子どもは「ふじ」に似ていますが、どこか少し違っています。そして、ごく稀に親よりも優れたものが生まれます。こうしたことも種を植える楽しみの一つです。

 * * *

 このことを一般的な言葉に言い換えると品種改良あるいは新品種育成となります。人類は、長い歴史の中で生活様式を採取・狩猟から農耕・牧畜へと変化させてきました。最初は、あちこちにある野生植物の中から好ましい性質を持つ農作物を選抜してきました。そして、メンデルの法則が発見(再発見:1900年頃)されて以来、遺伝学に裏付けされた体系的な育種が行われるようになりました。こうして、生まれたのがリンゴ「ふじ」など、本メルマガで紹介している品種群です。

 果物の品種育成には長い年月がかかります。例えば、リンゴ「ふじ」は以下のような経過をたどって育成されました。
 1939年に「国光」と「デリシャス」を交配し、274個の果実を収穫し、その中の種2004粒を播種しました。そして、787個体の実生を育成し、樹特性、病害抵抗性、果実の食味・外観、栽培特性、貯蔵性などを評価して1958年に「東北7号」とし、リンゴの主産県の試験場で生育特性や地域適応性評価を行い1962年に「ふじ」として品種登録されました。交配してから23年目に世に出た大器晩成の品種です。

 こうしたことに思いをはせながら、美味しく食べた種をまいて、誰も持っていない自分だけの品種を育てるのも楽しいのではないでしょうか。

【用語解説】
メンデルの法則:
 オーストリアの僧侶・植物学者であったメンデル(Gregor Johann Mendel)が、エンドウ豆などの研究から導き出した遺伝(親の形質が子に伝わる)の法則で、第一法則「優性(優劣)の法則」、第二法則「分離の法則」、第三法則「独立の法則」があります。




□ 品種紹介:アケビ「紫幸」、「細紫」

 アケビ科には、アケビとミツバアケビ、両者の雑種と考えられているゴヨウアケビがありますが、一般にこれらを合わせて、アケビとされています。果実が大きくて、紫色が鮮やかな野生のミツバアケビから選抜された品種が栽培、生産されています。
 「細紫」の果皮は高級な山菜として生食用、料理用として用いられます。「紫幸」は、果重が150-300gとなる品種です。

「細紫」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://misa.ac.affrc.go.jp/vegf/docs/aaaake2.html
「紫幸」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://misa.ac.affrc.go.jp/vegf/docs/aaaake1.html




□ 「第3回:立ち上がる農山漁村」公募始まる

 「立ち上がる農山漁村」は、農林水産業を核とした、自律的で経営感覚豊かな農山漁村づくりの先駆的事例を選定し、全国に発信・奨励することにより、全国の農山漁村に「地域自ら考え行動する」意欲あふれた活動を広め、推進するために平成16年度より実施しています。地域で様々な活動を進められている皆様からの応募をお待ちしております。

応募内容等の詳細は下記のサイトにあります(募集期間は平成18年9月22日から10月31日です)。
http://www.maff.go.jp/www/press/2006/20060922press_3b.pdf




□ 食料自給率向上に向けた今後の対応

 「平成18年度第2回食料自給率向上協議会」(9月19日)が開催され、平成17年度の食料自給率実績値を踏まえて、食料自給率向上に向けた今後の対応について協議が行われました。

平成17年度食料自給率実績値に関する分析は下記のサイトで読めます(果樹の分析は17/38ページです)。
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/
kanbou/jikyuritsu/h18/02/data01.pdf

食料自給率向上に向けた今後の対応については下記です。
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/
kanbou/jikyuritsu/h18/02/data02.pdf





□ 文献紹介:サラダの栄養評価

 生野菜からではビタミンなどの栄養素を吸収できないのではないかという説がありますが、アメリカ・カリフォルニア大学とルイジアナ州立大学の共同研究から、サラダや生野菜の摂取量が多いと血液中ののビタミン量も増加することが分かり、生で食べることの栄養的意義が確認されました。

 男性8,282人と女性9,406人の食事データを分析したと結果、生野菜やサラダの摂取量は、血液中の葉酸、ビタミンC、ビタミンE、リコピン、α-カロテン、β-カロテンの濃度と相関していることが明らかとなりました。そのため、研究者らは、サラダをもっと食べるようにと述べています。

【文献】
Su, L. J. and Arab, L.: Salad and Raw Vegetable Consumption and Nutritional Status in the Adult US Population: Results from the Third National Health and Nutrition Examination Survey. J. Amer. Diet. Assoc. 106: 1394-1404. (2006)




□ 文学の中の果物:野菊の墓(伊藤左千夫)

 僕が今忘れることが出来ないというのは、その民子と僕との関係である。
 *
 僕は小学校を卒業したばかりで十五歳、月を数えると十三歳何ヶ月という頃、民子は十七だけれどそれも生れが晩(おそ)いから、十五と少しにしかならない。
 *
 山の弁当と云えば、土地の者は一般に楽しみの一つとしてある。何か生理上の理由でもあるか知らんが、とにかく、山の仕事をしてやがてたべる弁当が不思議とうまいことは誰も云う所だ。今吾々二人は新らしき清水を扱み来り母の心を籠(こ)めた弁当を分けつつたべるのである。興味の尋常でないは言うも愚(おろか)な次第だ。僕は『あけび』を好み民子は野葡萄(えびづる)をたべつつしばらく話をする。 −「野菊の墓」より

伊藤左千夫(いとう さちお、1864年9月18日-1913年7月30日)は、上総国武射郡殿台村(現在の千葉県山武市)の農家出身。1905年に『野菊の墓』を『ホトトギス』に発表し、夏目漱石に評価される。




□ 子ども霞ヶ関見学デーのビデオ公開

 夏休みに開催した「平成18年度子ども霞が関見学デー」(8月23,24日)の模様をビデオ(動画)やレポートで見ることが出来るようになりました。子どもたちが楽しく遊び、学ぶ姿をご覧いただけます。
http://www.maff.go.jp/kodomo/video.htm




□ とんダネついタネおよいダネ−種子の不思議を科学する

 茨城県自然博物館の第38回企画展「とんダネついタネおよいダネ−種子の不思議を科学する」が10月7日(土)から始まります。どんな植物がどんなしくみで広がるのかについて楽しく学ぶことが出来ます。農研機構果樹研究所も果物の不思議の展示に協力しています。

場所:茨城県板東市大崎700 電話0297-38-2000
期間:2006年10月7日〜2007年1月14日
ホームページ:http://www.nat.pref.ibaraki.jp/index.html




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☆ 編集部より ☆

 先週号で中学生に果物を無料配布すると摂取が増えるとの情報を紹介しました。思春期の中学生は、身体の変化とともに食事の嗜好も変化すると考えられています。また、好奇心が旺盛で、自立心も芽生える時期なので、栄養情報とともに実際に果物を食べることが中学生の心を刺激したのではないかと思っています。(tnk)


 先日、夜の10時頃にお腹が空いたので、ナシを丸かじりしていました。すると、先に寝ていた娘が、突然、起き出してきて私がこっそりナシを食べているのをみつけ「おとうちゃん ばっかりずるい!」と怒り出しました。やむなく、一口食べさせると「やっぱりお父ちゃんは、私に隠れて自分ばっかりナシを食べていたのね..。」だそうです。疑惑を晴らすためにもたくさん娘に食べさせなきゃ!(uru)


 今回は、アケビについての特集でしたが、私はまだアケビを食べたことがないので、この週末に購入してみようかと思います。(sk)




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